Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪140.荊-木犀は月に馨る- 4-27


この部屋に来たときはそれどころではなかったが、落ち着いた今、雪耶は部屋を見回す。
クールな印象のあった実里なので部屋もモノトーン系かと思っていたのだが、実際はナチュラルな雰囲気の部屋だった。

玄関付近においてあるウッドシェルフと同系統の、ライトブラウンの家具で統一されている。
カーテン、ベッドカバー、クッションといったファブリック類はアースカラーで目に優しい。
置いてある家電も、液晶テレビとノートパソコンといった程度なので部屋の雰囲気を壊していない。

ただ、壁にある写真のフレームだけが少し個性を主張している。

白いフレームの中は、積み重ねられたグラスというモノトーンの写真だ。
透明の液体の入った美しいカッティングのグラスが、ピラミッドのように積み重ねられ、その頂点にあるグラスだけが、ひびが入り大きく欠けている。
割れたグラスの中の液体だけが濃い色で、その液体が欠けた部分から流れ出たのであろう、土台にあるグラスの透明な液体に滴り、濁りの軌跡を残している。

ヒエラルキーのトップが欠けたグラスというのも、なんだか意味深だが、グラスに当たる光の演出も印象的だった。
色のないモノトーンの画像だけに、光と影のコントラストが強く表現されている。

雪耶が写真に見入っている間に、狂司郎は2個目のプリンに手を伸ばそうとしていた。

(狂さん、本当にプリンが好きなんだな。 買ってきて良かった!)
狂司郎が美味しそうに食べている姿を見ているだけで、口元が綻んでくる雪耶だった。



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|  ・狂司郎×雪耶 | 21:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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狂雪139.荊-木犀は月に馨る- 4-26


狂司郎は事を決めると行動が早い。
帰る気になった今も、雪耶を自分の上から降ろすとすぐ、ラックにかけてあった黒地に赤のテーピングでデザインが入ったジャケットを羽織り、スタスタと出て行こうとする。

「あ、狂さん!待って!」
慌てて後を追おうとした雪耶は、来た時にテーブルの上に置いたプリンの紙袋に気づいた。

「プリン! 狂さん、俺、プリン買ってきた。 どうすればいい?」
雪耶の声に狂司郎が足を止め、振り返る。
雪耶は手にした紙袋を、目線の位置まで持ち上げて狂司郎に見せた。
「ほら、チェリーロードのスイーツ屋さんの…」
言い終わらないうちに、踵を返した狂司郎がさっきと同じ歩調で戻ってくると、床にクッションを敷いて座り込んだ。

「食う」
「今、食べる? じゃあ、ちょっと待って」
雪耶はテーブルに紙袋を置き、中からプリンの入ったケーキボックスを取り出すと、箱を開けて中の保冷剤を確認した。
「…よかった。 保冷剤たくさん入れてもらったから、プリンもちゃんと冷たいよ」

狂司郎が手を伸ばし箱を引き寄せると中を覗き込む。

「あ、お皿持ってくる」
そう言って立ち上がりかけた雪耶だが、
「いらねぇ」
という狂司郎の返事に、再び床に腰を下ろす。

「そのままでいいの?」
「………」
狂司郎は、プリンの容器とテイクアウト用のスプーンを手に取ると、箱を雪耶の方に押しやる。
そして、ペリペリと容器の蓋を外してから、個包装の袋を犬歯で噛み千切ってスプーンを取り出す。
手にしたプリンを鼻先に近づけてクンクンしたあと、無造作にスプーンを突っ込んで食べ始めた。

(や!なんで狂さん匂い嗅いでんの?動物みたい。
つか、いつも思うけど、狂さんってあんまり金持ちのボンボンっぽくないよなぁ。
どっちかっつーと野生児?)
狂司郎の一連の動作を見た雪耶は、心中でツッコミを入れながら、自分もプリンを取り出した。



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|  ・狂司郎×雪耶 | 23:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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狂雪138.荊-木犀は月に馨る- 4-25


雪耶は、狂司郎に太股の上に跨ったまま、頭を引き寄せられるようにして抱きしめ直された。
雪耶の頭頂部の髪に鼻先を差し込んだ狂司郎が、スンスンと匂いを嗅いでくるので雪耶はいたたまれない。
狂司郎に抱きしめられてからずっと体温が上昇しっぱなしなので、もしかしたら汗臭いのかもと雪耶は不安になる。

「何?狂さん。俺、臭い?」
「臭くねぇ」
それでも狂司郎は匂いを嗅ぐのを止めない。

「やだ!臭いんでしょ?やめてよ、もう」
雪耶は狂司郎の顔を退けようと手を伸ばすが、その手を狂司郎に握られてしまった。

「……いい匂いなんだよ、おまえ」
「いい匂い?…って、どんな?」
「ん……………乳くさい」

狂司郎の答えに、雪耶は軽いショックを受けた。

「なっ!なんだよっ!乳くさいってっ」
子ども扱いされたようで悔しい。

目を剥いて不満を漏らす雪耶を見て楽しそうに頬を緩めた狂司郎が、雪耶の広い額に掠めるような軽いキスを落とした。
狂司郎の唇が触れた部分がポッと温かくなり、一瞬で心が和らいだ雪耶は狂司郎の胸にコトンと頭を預けた。

雪耶の目の前には、狂司郎の鎖骨を這い登ろうとする小さなブラックシルバーの蜥蜴がいる。
小さいけれど精巧な造りで、狂司郎を見上げる丸い目がなんだか可愛い。
前足でしっかりとペンダントのチェーンを掴んでいる。

こうやって、狂司郎の腕の中にいることで、雪耶は自分の心が安定しているのを実感していた。
暖色系のパステルカラーの綿菓子に、すっぽり包まれているような気分だった。


「………帰るか」
狂司郎の穏やかな声が響く。

「うん!帰ろう!」

雪耶の顔に、笑みの花がフワリと開いた。



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|  ・狂司郎×雪耶 | 22:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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狂雪137.荊-木犀は月に馨る- 4-24


狂司郎が獣めいた表情で、唾液に濡れた自分の唇をペロリと舐めた。
狂司郎の薄い唇から覗いた赤い舌と白い歯のコントラストが、ひどく淫靡なものに見え、雪耶はゾクっとする。

「これ以上はヤベェだろ…」
「……え?」
いまだ思考が停止したままの雪耶は、狂司郎の言葉の意味が理解できない。
雪耶の唇もまた唾液にてらてらと光り、薄桃色に目元を染めた大きな目は潤んでいる。
視点が定まらないかのような表情で、上気した顔を傾け狂司郎を見つめるだけだ。

「…おまえの顔、エロ過ぎ…」
そう言いながら、後頭部の髪に差し込まれた狂司郎の指先が雪耶の頭皮を揉むようにしながら髪を弄ぶ。
その刺激で雪耶の脳細胞も活動を再開した。

「……エロいの?…俺…?」
目を丸くして問いかける雪耶を見た狂司郎が、喉を鳴らすようにして低く笑った。

「…無自覚でこれだもんな…マジ、ヤバイ…」
「ヤバイって何が?」
「……ここでヤったら、ミノリが怒り狂うだろ」
「やる?……って?……あっ」
狂司郎の言葉の意味を理解した雪耶の顔がさらに赤くなる。
狂司郎はキスより先のことを言っているのだろう。

「……準備もできねぇしな」
「へ?準備って、なに?」
これに関してはまったく理解できず素直に問い返す雪耶に、狂司郎が口角を上げて思わせぶりな笑みを見せた。

「男同士はいろいろとな」

(うわっ!狂さん、なんかすごくやらしい顔!)

『いろいろと』が何なのか気になったが、狂司郎の表情を見ていると、これ以上聞くのはそれこそヤバイ予感がしたので雪耶は口を閉じた。



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|  ・狂司郎×雪耶 | 22:33 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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狂雪136.荊-木犀は月に馨る- 4-23


「デコ……」
もう一度囁いたあと、雪耶の唇を狂司郎の舌がなぞるように舐める。
その舌は、閉じられた唇の狭間を小さくノックしてきた。

「……ぁ…」
その刺激に雪耶の唇が緩む。
すかさず狂司郎の舌が、その隙間をこじ開けるようにして口腔内に侵入してきた。

リアルに体感する、他人の口内器官の感触。
意思を持った生き物のように、狂司郎の舌が雪耶を求めて追いつめてくる。
熱くぬめる狂司郎の舌先が掠める度、雪耶の舌はビクッと震えて逃げを打つ。
喉の奥へ逃げ込もうとする雪耶の舌下を、狂司郎の舌先がからかうようにつついてきた。

雪耶の意識は自分の口の中に集中し、何も考えることができない。
高温の熱が充満したような脳内で思考回路が吹っ飛んでいる。

「……ぅ……んっ…ん…っ……」
口を占拠されてしまった雪耶の鼻腔から、小刻みに息が洩れる。

スッと雪耶の口腔から熱い存在が抜け出し、唇を塞いでいたものも離れていく。
熱に浮かされたような状態で、雪耶はうっすらと瞼を開いた。
その視線が捉えたものは、牡の匂いを感じさせるような狂司郎の表情だった。

獲物を食らおうとする捕食者のような瞳。

(やっぱ狂さん、白豹だ…)

「舌を出せ。デコ…」
白豹が、掠れた声で命令する。

雪耶はその命令に、おずおずと小さな舌先を唇の間から差し出した。
唇ごと喰らいつくように狂司郎の唇が重なり、雪耶の舌は狂司郎の舌に絡め取られる。
濡れた粘膜同士の接触は、雪耶に未知の感覚を覚えさせる。

ぎこちない動きの雪耶の舌に、狂司郎の舌が宥めるようにゆったりと絡みつき、飲み込みきれなかった唾液が時折、淫靡な水音を立てる。
角度を変えながら施される口内への愛撫に、雪耶は夢中になっていった。

狂司郎の舌の動きが煽るような淫猥なものに変化した時、生まれて初めて掘り起こされた官能の熱が雪耶の背筋を走り下りて、腰に重い痺れをもたらした。
全ての血流が中心に集まるように流れ込んできて、雪耶の下腹部が熱を孕む。

「……んっ……ぅ……っ」
自分の身体に起こりつつある変化が何なのか、いくら奥手な雪耶でも理解している。
むずがゆいようなもどかしい感覚、思わず腰を狂司郎に擦り付けてしまいたくなる。
雪耶は狂司郎の背に回した両の手のひらを、彼のシャツごとキュッと握り締めた。

ふいに、狂司郎が雪耶の唇を解放する。



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|  ・狂司郎×雪耶 | 22:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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