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絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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29.【蒼白の月に啼く獣3-4】

 それでもそれなりの効果はあった。狂司郎も気に入ったようで、自分から「やろう。」と言う時もあるほどだ。剣道より空手の方が気に入っているようだが、いずれにしても何かに夢中になれる時間というのは大切だ。

 稽古をしていると、狂司郎の負けず嫌いがよくわかる。西門には全く歯が立たないのは当然なのだが、悔しがる気持ちは人一倍で何度でも向かってくる。
 肉体の敏捷さ、しなやかさ、勘のよさは天性のものなのだろう。小学校での喧嘩は負け知らずと言うのもすんなりうなずけた。

 だが、それを人を傷つけることに向けて欲しくないと考える西門は、武道を学ぶことによって、狂司郎に精神的な強さを持たせたかった。暴力に走ることなく、自分を保てる精神力を培って欲しかったのだ。


 もうひとつの効果が、狂司郎の西門に対する態度だ。今までは、語り口の優しい西門をどこか舐めてかかっているような態度に見て取れたのだが、それがなくなった。


 この屋敷には狂司郎が甘えることが出来る人間がいないのだが、それと同時に狂司郎を叱る人間もいない。
 一番近くにいる西門が、必然的にその役目を負うことになっているのだが、その西門の言葉に聞く耳を持つようになっていた。理解しているかどうかは別として、という注釈をつけなければならないのは、相手が狂司郎なので致し方ない。 


「あとで稽古しましょうか。」
と言う西門の声に、狂司郎は道場の建物を見上げる。
 西門の誘いにいつもならすぐにうなずく狂司郎だが、今日は何も言わぬまま視線を戻し、通り過ぎてしまう。

(どうしたのだろう?今日は気持ちがブルーな日なのか?)

 時々、狂司郎は物憂げな様子になる日があった。
 自分の胸の内を一切語ろうとしないので、何故なのかはわからないまま、様子を見ながら傍にいてやることしか、西門にはできない。


 歯がゆい思いを抱えながら、狂司郎と共に屋敷に戻った西門は、狂司郎の部屋で遅い昼食をとった。

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