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絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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22.【蒼白の月に啼く獣2-9】

 やがて、彰の母が語り始めた。

「恭ちゃん、小さい頃からおうちで辛い思いをしてたみたいなんです。身体に痣がいくつも出来てたりして…。幼稚園児同士の喧嘩で出来るようなものじゃなかったんですよ。
 恭ちゃんのお母さんはとても芯の強い方で、めったに弱音を吐かなかったんですけど、時々、とても疲れた顔をしていることがありました。
 そんな時は恭ちゃんも何か感じるのか、お母さんにべったりくっついて離れないんですよ。だからお母さんも、恭ちゃんをぎゅーって抱きしめたりして…。」


 彰の母は、『誰』という固有名詞は出さなかったが、英の家で狂司郎が虐待のようなものを受けていたのではないかと話してくれた。
 英は不在がちで、狂司郎が甘えられるのは母親だけだったと言う。使用人たちからの風当たりもやはり厳しかったようで、それは今の英家の状態からしても、西門が『孤立する狂司郎母子』を想像するのは容易いことだった。
 唯一、母子を気にかけてくれたのは「実代さん」と狂司郎の母が呼ぶ年配の使用人だったそうだが、その立場上、表立って何か出来るわけもなく実質的な援護は出来なかったようだ。


 そして突然、狂司郎の母が家を出て行ってしまった。
これに関しては、彰の母も何も知らされておらず、驚くしかなかったようだ。


 その後、それまで以上に体の傷が増えていたり、顔つきが暗かったり、気持ちが不安定なことが多くなっていく狂司郎を見て、彰の母は心配し続けていたと話した。ただ一人甘えられる相手だった母親がいなくなってしまい、たった一人で孤立してしまった狂司郎が、どんな気持ちで暮らしているのかを考えるといたたまれなかったと…。


「だから、恭ちゃんがここに来て、少しでも楽しい気持ちになってくれたら嬉しいんです。彰も、喜びますしね。彰といる時の恭ちゃんは昔と変わらないんですよ。」


 こんな風に言ってくれる人がいてよかったと、西門は安堵する。
狂司郎を受け入れてくれる人がいるということに、何故だか自分まで勇気付けられているような気がした。


「湊さん。きっと恭ちゃんは湊さんの事、気になってるんだと思いますよ。いつか、きっと心を開いてくれると思います。だから、できるだけ恭ちゃんの傍にいてあげてください。」
 彰の母は、柔らかく温かい微笑を細面の顔に湛えながら、西門を励ましてくれる。

 

「はい。恭司郎様が心を開けるような存在になれるように頑張ります。
今日はたくさんお話を聞かせてくださって、ありがとうございました。」

「いえいえ。またいつでもいらしてくださいね。」

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