Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

21.【蒼白の月に啼く獣2-8】

「彰と恭ちゃんが一緒の幼稚園だったのがきっかけで、私も恭ちゃんのお母さんに、仲良くしていただいていたんです。
 まるで外人さんのようで、とてもお綺麗な方でした。お母様がフィンランドの方だとかで『外見は外国人だけど、中身は日本生まれの日本育ち、生粋のニッポン人よ!』なんて明るく笑ってらしたんです。
 優しい人で、私が寝込んだりすると、よくここに来てご飯作ってくれたりしてたんですよ。」

確かに彰の母は、華奢な細い身体であまり丈夫そうには見えない。

「恭ちゃんはお母さんによく似てるんですよ。でも、あの髪の色や肌の色、瞳の色のせいで、幼稚園の頃は苛められることが多かったんです…。」


 小さい子供は残酷な部分を持っている。見たこと思ったこと、そのままを口に出してしまう残酷さだ。
 狂司郎も外見の異質さを指摘されることが多かったのだろう。


「でも、恭ちゃん負けてないんです。何か言われたら即座に反撃に出るのだけど、あの通り口下手だから上手く言い返せなくて、どうしても手が出てしまうんですよね。きっとそれがあの子の自己防衛なんだろうなって私は思ってるんです。
 ただ、小学校に入ってからの恭ちゃんは、些細なことで暴れることが多くなったみたいで『乱暴な子』と言われてしまってるようですけど…。」
 そう言うと、彰の母は少し顔を曇らせた。

 だが、すぐにその微かな憂いの表情をを打ち消すように、
「でも、うちで彰と喧嘩になったりもしますけど、彰に無意味な暴力をふるったことはないんですよ。なにかしらそれなりの理由があって、それは恭ちゃんが悪い時も、彰のほうが悪い時もありますもの。
 もっとも、喧嘩が始まっても私、めったに止めませんけどね。二人ともそうやってお互いの痛みに気づくいい機会だと思って。」
 と、優しげな表情で小さく笑った。



 彰の母はこの家での狂司郎の様子を、いろいろと聞かせてくれた。それは、西門が知らない狂司郎の姿が多かった。
 だが、英の家に関わる話になると、その口が重くなり沈黙が続くのだった。西門とて英の家の人間である。部外者の自分が、軽はずみなことを言うべきでないとの判断だろう。

「僕は、英の家で見る恭司郎様しか知らなくて…。
それは、僕の常識では考えられないようなものだったりもして、自分がどうするべきかわからないことが多いんです。
 実は、この前ここにお邪魔した時に、恭司郎様が笑っているのを見たんですよ。あんな風に笑う恭司郎様を初めて見て、ここは恭司郎様にとって自分を出せる場所なんだと思いました。だから、彰くんのお母さんにお話を聞きたかったんです。
 僕も、あの笑顔を見たいんです。」
西門の口から思わず本音が洩れてしまった。


 線が細くどこか儚げな印象のある彰の母が、思わぬ強さの視線でじっと西門を見つめる。西門のことを見極めようとしているように感じ、西門もまたまっすぐに彰の母親を見つめた。

テキスト by 流々透雫

≪湊狂20.へ  湊狂22.へ≫

≪湊狂1.から読む
≪湊狂INDEXへ
≪作品INDEXへ

Copyright (C)   ciliegio2009, All rights reserved.

 

↓ランキングに参加しています。↓よかったらポチしてください。
 にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ

 拍手ありがとうございます!

関連記事
スポンサーサイト

|  ・湊+狂司郎 | 18:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://moelvabxb.blog81.fc2.com/tb.php/87-537736d9

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。