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絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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13.【蒼白の月に啼く獣1-8】

 西門にまっすぐに視線を向けて英が言う。
「それでだ、湊くん。」
「はい。」
「湊くんに恭司郎の勉強を見てもらいたいのはもちろんなのだが、できれば時間が空いているときにでも恭司郎の相手をしてやってくれないだろうか。」

 この人は・・・・・・
 子供のことは全て人任せなんだろうか。

 英家は代々続く資産家で、今も都内の一等地に不動産物件をいくつも所有すると聞く。そういった資産をうまく運用して起業し、大企業と呼ばれるまでに発展させたのはこの英の手腕であり、企業人としての彼は計り知れない才知を持った人物なのだ。
 だが、父親としてはどうだ?今日この部屋で聞いた話はどれも彼自身が見たものではなく、使用人たちからの報告がほとんどではないのか。英自身が子供たちと直接向き合ったことがあるのだろうか。

 そんな沸々とした思いに沈黙する西門に、英が言葉を続ける。

「もちろん、私もこの家にいる時間はできるだけ恭司郎の傍にいたいとは思っている。だが、先ほど湊くんも見たとおり、私は恭司郎には嫌われているからね。君には迷惑な話かもしれないが、時間が空いてる時だけでかまわないので恭司郎の遊び相手になってやってくれたら嬉しい。いや、強制してるわけじゃないので軽い気持ちで聞き流してくれてもかまわんよ。」


 狂司郎に手を振り払われた時の英の寂しげな顔が、西門の脳裏をよぎった。


 きっと我が子を思う気持ちがないわけではないのだ。どうしたらいいのか英自身わからないのかもしれない。
 自分が狂司郎の傍にいることで何かが変わるとも思えないのだが、少しでも幼い彼の寂しさがなくなるのならいいのかもしれない…西門はそう考え、英に向かって頷いた。

「わかりました。僕が恭司郎様に受け入れてもらえるかはわかりませんが、時間が許す限り恭司郎様の傍にいるようにします。」

 英の顔が嬉しそうに綻んだ。
「ありがとう、湊くん。恭司郎のことよろしく頼みます。」


 その顔は企業家の顔ではなく、父親の顔だった。

 


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|  ・湊+狂司郎 | 16:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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