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絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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11.【蒼白の月に啼く獣1-6】

「さて、何から話せばいいのか…。 …恭司郎の母については、君もいろいろと耳にしていると思うが?」

 英本家の話は末端である西門家にも届いていた。

 英が長男・有介の母である前妻との離婚後1年余りという早い時期に、狂司郎の母と再婚したため、『財産目当てに英に近づき前妻を追い出した。』というものや、狂司郎の母が北欧の血の混じったハーフかクオォーターかの綺麗な人で、『その美貌に英が騙された』という話、可愛げのない狂司郎に嫌気がさし英に押しつけて逃げ出したなど、西門もいろいろ聞いている。

 西門の両親は、『一族の嫉妬や妬みが生み出した噂話だろうから真に受けるものじゃない』とよく言っていた。西門も両親の考えには同感していたので、 「噂話程度には聞いています。」 と口を濁した。

 その言葉に英は、肩をすくめるようにしながら首を微かに振った後 「事実と違う話があっても、人の口に戸は立てられん。いくら私が否定したところで、噂を止めることはできなかっただろう。」 と息を吐き出すようにこぼす。

「…彼女は頑張ってくれていたんだ。親戚どころか使用人たちからもあれこれ言われていたと思うが、私には辛いそぶりは見せなかった。我が子である恭司郎だけでなく、血のつながらない有介も分け隔てなく育ててようと一生懸命だった。だが、有介にはそれが伝わっていなかったようだがね。」

 英が再婚した当時、長男の有介は小学校高学年だったそうだが、狂司郎の母に懐くことはなかったという。  両親が離婚、そのうえ、年月をあまり置かずに父が再婚とは、幼い有介が受け入れることができなくても仕方のないことなのかもしれないと西門は思った。

 もともと英家には古くから勤めている使用人が多数いたらしいのだが、お嬢様育ちの前妻の我儘奔放ぶりに一人、二人と辞めていき、狂司郎の母が英家に入ったころに残っていたのは、前妻の息のかかった使用人たちがほとんどで、有介は使用人に甘え放題だったそうだ。  狂司郎の母と使用人たちはうまくいっていなかったようなので、使用人たちが有介に噂話のような内容を吹きこんでいないとは言い切れないだろう。  もしそうだとしたら有介が狂司郎の母に懐けなくても当然かもしれない。

「恭司郎の母親は気丈な女性でね。責任感も強くてしっかり者だった。だから私に弱音を吐いたことがほとんどなかったんだ。」 手に持ったコーヒーカップを意味もなくもてあそぶようにして英が言う。  その目はコーヒーカップを見つめてはいるが、思考はどこか遠くに彷徨っているような印象だ。

 西門が口をはさむ雰囲気はなく、無言で英の言葉を待った。

 

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|  ・湊+狂司郎 | 16:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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