Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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9【蒼白の月に啼く獣1-4】

 狂司郎のお礼の言葉で、西門との対面は済んだと判断したのか、英から狂司郎に声がかかる。
「恭司郎、明日からの勉強のことは、また知らせる。今日はもう遅いから、風呂に入って早く寝なさい。」

 おもちゃの入った包みを抱えた狂司郎が駆け出すようにして、部屋にある扉の向こうに消える。
 西門たちが入ってきたドアとは別のものだったので、
「あのドアは?」
と、英に聞いてみた。

「向こうが寝室なんだよ。」
「えっ?もう一つ部屋が?そこで一人で寝るんですか?」
「そう…一人で…。もう小学生だから当たり前だろう?」

 穏やかな顔の英だが、その声音に硬いものを感じ、それ以上は会話を続けることが出来ず、西門は部屋を出ようとドアに向かう。


 ドアノブに手を伸ばし、唐突に気づいてしまった。
 入ってきた時感じた違和感の正体に。

 ドアに内側から開錠するための金具がないのだ。 外側から施錠されてしまったら、内側から開ける術がない。   

 オーダーででも作らせたのだろうか、内側から見ると鍵のない一般的なドアだったのですぐには気づかなかった。いや、普通なら気づかなかっただろう。 この部屋に入る時に感じた心の引っ掛かりがあったから気づいたのかも知れない。
 部屋の中にいる狂司郎に呼びかけてドアを開けさせるのではなく、英自身が鍵を差し込んでいたのはこれが理由だったのだ。
 これではまるで狂司郎を閉じ込めているようだ。 そのことに西門は愕然としてしまった。


 我が子を閉じ込めるための部屋、狂司郎の父に対するあの態度、そしてあの狂司郎のおよそ子供らしくない表情…。
 いったいこの家はどういう家庭なんだという思いが沸き起こる。


 狂司郎の部屋を出た英は、ドアに鍵をかけることなく歩き出す。 西門は無謀にもその背に向かって問いかけてしまった。

「鍵はかけないんですか?」

 足を止めた英がゆっくりと振り返る。 今まで見せていた落ち着いた英の顔とは違い、険しく鋭い目で西門を見やる。
 185cm近い長身である西門より上背では劣る英だが、40代半ばにして巨大な企業を経営している人間としての器の差が西門を圧倒する。
 見たことのない英の様子に西門に緊張が走った。
 だが、それも僅かのことで、すぐにフッと息を吐くように静かな声で答える。
「湊くんと恭司郎を会わせるという用件は終わったから、もう鍵をかける必要はないだろう。」

 その言葉に肩の力が抜けた西門だが、続く英の言葉に困惑する。
「やはり、湊くんにはいろいろと話しておいたほうがいいようだ。
君は聡明だから隠しておいてもいずれ気づいてしまうだろう。
今から私の部屋に来てくれるかい?」


 英家の裏事情など聞かないほうがいいんじゃないかと思うのだが、知らないままでこの先4年間平穏に暮らせるのかもわからず、 とにかく話を聞いてみようと、英と共に彼の部屋に向かった。 

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