Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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8.【蒼白の月に啼く獣1-3】

 英と西門のそんなやりとりの間も床を睨みつけたままの狂司郎に、もう一度声をかける。
「恭司郎様におみやげを持ってきました。」
と、持っていた包みを狂司郎の前に差し出す。
「ロンドンの二階建てバスのおもちゃです。気に入ってもらえるといいですが。」

 その時、初めて狂司郎が顔を上げて湊を見た。
 細く柔らかそうな髪が、見上げる動きでサラサラと流れる。

 綺麗な顔だった。色の白い小作りな顔に睫毛の長い大きな目が目立つ。 子供にしてはスッと通った鼻筋、淡い色の薄めの唇は怒っているかのようにキュッと閉じられている。整った顔立ちだがバランスはやはり子供っぽく、幼い。
 だが、表情はあどけなさや無邪気さとは程遠く、冷め切っていて拒絶すら感じさせるほどだ。
 それは、たぶん彼の視線の強さだろう。 切れ上がった眦と、金色に近いような淡い蜂蜜色の大きな瞳を持つ目に射抜かれる。
 探るでも恐れるでもなくまっすぐに向かってくる視線からは、なんの感情も読み取れず、 それがかえって底知れないものを感じさせ、西門の心が微かに波立つ。

 小学校の低学年の子供が、何故こんな視線で人を見据えるのか。
10歳も年下の子供に気おされている自分が信じられなかった。

 それでも10も年上であるというプライドから、顔の筋肉を総動員してにっこりと笑いかける。 じっと睨みつけたまま動かない狂司郎に向かい、少し腰をかがめて包みを差し出したまま西門は辛抱強く待つ。
 心の中で(早く受け取ってくれ。頼む!)と念じ続けながら。

 フッと狂司郎の視線が西門の持つパステルカラーの可愛らしい紙袋に移り、両手でそれを受け取る。
 そして、そのままじっと紙袋をみつめている。

「恭司郎、ちゃんとお礼を言いなさい。」
英の声に、はじかれたように狂司郎が西門を見上げる。
 相変わらず視線は強いが、幾分表情から硬さが取れたような気がするのは錯覚だろうか。

 狂司郎が受け取ってくれたことで、ホッとした西門は今度は自然に微笑むことができた。
「今度それで遊びましょうね。」

 西門をじっと見据える表情はそのままで、引き結ばれていた小さな口が開く。
「ありがと…」

 

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