Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

14.【蒼白の月に啼く獣2-1】

蒼白の月に啼く獣 第2章

 

―いったいなんの行進だ…―


 西門が、英から手渡された狂司郎の通知表を見た瞬間の感想だ。
 見事である。見事に数字が1と2しかないのである。1の方が多かったりするから、行進の途中でけつまづくに違いない。

 通知表を持ったまま固まってしまった西門だった。


「いや、この成績ではかなり困難なことは重々わかっている。
だが、私も有介も桜華出身で、あの学校の良さを知っているだけに、なんとかしたくてね。
セキュリティ面も万全で信頼出来るから、恭司郎も桜華に行かせたいんだよ。」

 英の気持ちはわからないでもないのだが、桜華学園中等部といえば、超難関校として全国的に名を馳せているほどの学校だ。そこにこの行進状態の狂司郎を合格させたいなどとは無謀にもほどがある。とは思っても、とても口には出せない。

 所見欄に目をやると、狂司郎の喧嘩っ早さを指摘する文章のあとに 『すべてにやる気が見られない』『授業の時にいないことが多過ぎる。』とある。 これについて英に聞いてみた。

「あぁ、それは…。恭司郎は学校でもよく行方がわからなくなるらしい。学校内にいればまだいいのだが、学校からも抜け出すようで、先生方が街中を探し回ったということを何度か聞いている。うちにも連絡が入ってそのたびに使用人たちが探し回ってるんだ。」

 西門はため息をつきたくなった。桜華中等部合格どころか、全く勉強する気のない子供をやる気にさせなくてはならないのか。大学生の家庭教師のバイトというノリでいたのは間違いだったようだ。だが、ここにお世話になっている以上、引き受けざるを得ないのが実情である。
 自分にやれることをやるしかない。それでもダメだったらその時に考えようと開き直りの気持ちで自分を鼓舞し、英に告げる。

「わかりました。どれだけお力になれるかわかりませんが、精いっぱいやってみます。」



 英は大きくうなずき
「湊くん、ありがとう。もちろん恭司郎本人が頑張らなければどうしようもないのは当然なので、湊くんにはその手助けをしてやってもらえるとありがたいと思っている。どうかよろしく頼む。」
深々と西門に頭を下げた。



こうして教育係としての西門の日々が始まったのである。


 西門が大学から英邸に戻るのが午後の6時か7時頃。それから着替えと食事を済ませて狂司郎の部屋に向かうことになる。

 だが、なかなか勉強にたどり着かない日々が続いた。

 部屋に行っても狂司郎がいない。1時間ほど狂司郎の部屋で待ってみても帰ってこない。使用人たちに聞いても行方は知らないと言われてしまうので、自分のこともあるし、時間がくれば仕方なく自分の部屋に戻るしかない。
 その後狂司郎が戻ったかどうか気にはなるのだが、大騒ぎになったことはなかったので遅い時間に戻っているのだろう。いったいどこに雲隠れしているのかはわからないのだが。

 狂司郎が部屋にいることがあっても、勉強をやる気は全くなく、西門が話しかけても返事もしない。目を合わせることもめったになく、たまに西門を見ても初対面の時のような射るような視線をくれるだけ。
 強制的に勉強机に向かわせようと、手を引いたことがあるのだが、すかさず向う脛に蹴りを入れられ、思わず唸ってしまった西門だった。
 手を引いてもダメならばと、体格差を生かし抱き上げたこともあるのだが、遠慮なく歯向かってきて大暴れで抵抗され、諦めるしかなかった。


テキスト by 流々透雫

≪湊狂13.へ  湊狂15.へ≫

≪湊狂1.から読む
≪湊狂INDEXへ
≪作品INDEXへ

Copyright (C)   ciliegio2009, All rights reserved.

 

↓ランキングに参加しています。↓よかったらポチしてください。
 にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ

関連記事
スポンサーサイト

|  ・湊+狂司郎 | 11:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://moelvabxb.blog81.fc2.com/tb.php/67-d6547a8b

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。