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絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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6.【蒼白の月に啼く獣1-1】

蒼白の月に啼く獣 第1章

 

 西門が狂司郎に初めて会ったのは、大学の入学式を翌日に控えた慌ただしい夜だった。
 春休み中に、自動車免許を取ったり、卒業旅行と称し友達とヨーロッパ旅行などしていたものだから、帰国後、引越や諸々の手続きに追われた結果といういささか自分本位な理由からなのだが。


 狂司郎の父、英恭介とともに、2階の一番奥にある狂司郎の部屋に向かった。

 英はドアの前に立ち、ノックするでも呼びかけるでもなく、ポケットから鍵を取り出していきなりドアの鍵穴に差し込む。

――なんで鍵を開けてるんだ?小さな子供が鍵をかけて部屋にいるのか?
疑問というほどのものでもないが西門の心に何かがひっかかる。



 狂司郎の部屋はその頃から今と同じ部屋だった。 高校生になった狂司郎にしても贅沢なほどだが、小さな子供が一人で過ごすにはあまりに広すぎる部屋だ。



 ドアを開けると中は真っ暗だった。 英が壁のスイッチを押して明かりをつけ、英に続き西門も部屋の中に足を踏み入れる。
 部屋のドアを閉めようとして、ドアノブにふと違和感を覚えたがそれがなんなのかはわからなかった。

 ぐるりと広い部屋を見回すと…ベランダに出るガラス窓のそばに小さな男の子がこちらに背を向け座り込んでいる。
 英邸は洋館の形式なので玄関で靴は脱がない。
 狂司郎の部屋ももちろん靴のまま歩き回るのだが、その床に直接座り込み膝を抱えるようにして外を見上げている。



 今から思えば、あれは夜空を見ていたのだろうと推測できる。 部屋の明かりがついていては反射して空が見えない。 だから部屋を真っ暗にしていたのだろう。

 狂司郎はこの頃から、いやずっとそれ以前から空を見上げていることが多かったのかもしれない。
 何を思って空を見ているのか、それは今でも謎の一つなのだが、狂司郎に聞いてもおそらく返答は返ってこないだろう。

 

テキスト by 流々透雫

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