Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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4.【蒼白の月に啼く獣P-4】

 

「熱を測ってください。狂司郎様。」
体温計を狂司郎に差し出すが、一瞥をくれた狂司郎は、寝返りを打って背中を向けてしまう。
 西門は狂司郎の肩越しに手を伸ばし、彼の額にそっと触れてみた。狂司郎が軽く息を呑む気配を感じたが、手を振り払われることはなかった。たぶん、その反応をするのもおっくうだったのだろう。
 彼の額は熱く、やはり熱が出てきているようだった。

西門は、名残惜しげに狂司郎の前髪を軽く梳き、その額から手を離す。


 片隅にある冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出し、体温計と共にサイドテーブルに置き、狂司郎に声をかけた。

「狂司郎様。後でよろしいですから熱を計っておいて下さいね。
それと、水をここに置いておきますので、お飲みになってください。
では、私はこれで失礼します。」
狂司郎の背中に向かって礼をした西門は、ドアに向かう。

扉を閉めようとした時、低く掠れた声が聞こえた。

「……湊。」

「どうしました?」

西門がベッドに歩み寄り、狂司郎の顔を覗き込む。

「……毛布を……。」
「あぁ、寒いのですね。気づかなくて申し訳ございません。今、お持ちします。」

クローゼットの棚から毛布を取り、掛け布団の上からかけ、 狂司郎の背中に沿うように布団ごと押さえつけてやる。

 こんなことを、されるがままになっている今の狂司郎は、かなり体が辛いのだと推測できる。
元来、狂司郎は体力も抵抗力もあるので、めったなことでは風邪も引かない。加えて、自分の弱っている姿を、人に見せることを嫌う性質もあって、多少の熱や怪我では、平然とした顔を崩そうとしないのだ。

 過去、それに気づかず、いつも通り武道の稽古をつけてしまい、あわや入院という事態に、追い込んでしまったという経験がある。
それ以来、西門は狂司郎の顔色、様子に細心の注意を払うようになった。

 この屋敷では、それに気を配る人間が、西門以外誰一人いないという現実が
彼の、ただ純粋に『狂司郎を守る』という思いを目覚めさせた。

その思いは、今も、西門の狂司郎に対する感情の根底に、しっかりと流れている――

 

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