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絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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1.【蒼白の月に啼く獣P-1】

蒼白の月に啼く獣 プロローグ


 重厚な玄関扉をあけ、狂司郎は玄関ホールに足を踏み入れる。
まさにホールである。 ワンルームのマンションの一室がすっぽり入ってしまいそうなほどの広さだ。


「おかえりなさいませ」
低いが凛と通る声が響く。
 恭しい礼からすっと顔を上げた男は、西門湊(にしかど みなと)、狂司郎の教育係だ。
英家の遠縁にあたる西門家の次男である。

 胸板は厚く筋肉質だが均整の取れた長身の躰に、高級感のある上質な素材のスーツをきっちりと着こなしている。切れ長の目とスッと通った鼻梁が印象的な、整った容貌の持ち主だ。
 艶やかで少々癖のある黒髪とその顔立ちが相まって、怜悧な印象を与えるもするが、5cmほど狂司郎より高い位置から見下ろす彼の視線は、思いがけず優しい。


 西門は東京の大学を受験するために英家にやってきた。
幼い頃から学問も武道も、極めて優秀な成績を修めていた西門は、親族の間で、将来有望な人間として期待されていた。
 狂司郎の父、英は、優秀な彼を、大学卒業後は自分の会社に引き入れるという思惑もあり、西門の両親から預かったのだ。

 大学合格後は、下宿代がわりとして、当時小学生だった狂司郎の家庭教師をすることを条件に、この英邸から通学していた。
 だが、家庭教師とは名ばかりで実際には、小学生のころから素行の悪かった狂司郎のお目付け役のようなものだった。

 家出や暴力沙汰を繰り返し、警察にやっかいになったことも数知れず、およそ小学生とは思えない狂司郎の行動と不敵な態度に、父である英のみならず、家の使用人たちも手を焼いていたのだ。

 当初、とんでもないことを押し付けられたと思っていた西門だったが、狂司郎と接するうちに、英家の裏側や、幼い彼の抱えるものの重さに気づく。
 幼いながらも、自己を保つため外に向かって牙を向ける狂司郎は、 その牙が自分をも傷つけていると言うのに、やめようとしない。
 それからの西門にとっての狂司郎は、守るべきものという存在になっていた。

 大学卒業後は、狂司郎のお目付け役の任務を終え、英の会社に入社後、英の意向で、MBA取得の目的も兼ねてニューヨーク支社に配属となり渡米した。
 だが西門がアメリカにいた3年の間に、落ち着いていたはずの狂司郎の行状が再び荒れ始める。
中学生になっていた狂司郎のやることは、当然のことだが、小学生よりエスカレートしていた。
 精神を鍛えるためにと西門は、自分が身につけた武道を狂司郎に教えたのだが、それが喧嘩に使われてしまっては、何の意味もないどころか悪影響だ。
 手のつけられない狂司郎のお守り役は、やはり西門しかいないという英の苦渋の決断で、また英邸に出戻り現在に至っている。


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