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絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪144.荊-木犀は月に馨る- 4-31


※荊後編、最終話です。※

*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*....*.....*.....*.....*.....*


雪耶は、狂司郎の後ろから階段を下り始めた。

今もなお、静かな音を奏でながら雨は全てを濡らし続けている。
でも、この階段を上がってきた時と、今の雪耶では、心の色がまったく違う。
今はとても晴れやかだ。

水気の多い空気を吸い込みながら、すっかり夜の色になってしまった空を見上げる。
(川田さんたち、心配してるだろうな)
外に残してきた護衛たちの顔が浮かんだ。


雪耶は、このマンションに来た時に川田に向けて自分が放った言葉を思い起こす。

特殊な環境に生まれ落ちたがために、幾重もの手厚い護りの中に囲い込まれている雪耶の現実。
雪耶に対する警護は、雪耶の安全を確保する反面で、彼を世間一般から隔絶してもいる。
その現状に疑問を抱きつつも、結局それに甘んじているのは雪耶自身だ。

そんな自分を憂えていた時に川田に傘を差しかけられ、雪耶は衝動的に傘の下から飛び出した。
その勢いのまま雪耶が口にした言葉は、思いのほか強いものになってしまったのだ。

川田と山本、そして、瀬名。
雪耶は彼らが任務という義務感だけでなく、雪耶に対する愛情を持って護衛してくれていると理解している。
だから、言い過ぎてしまったのではないかと気にかかってはいるのだが、想定外のエントランスでの実里との立ち話となってしまった結果を見れば、あれでよかったのだと思うしかない。
マンションの入り口に車を横付けにしていたら、おそらく実里が不審を抱いたであろう。

ただ、途中でマンションの住人が入ってきた時、彼らが神経を尖らせていただろうというのは想像に難くない。
彼らには苦しい判断だったであろうが、慌てて駆け込んでこなかったことは心底ありがたかった。

そして、今も車の中でじりじりしながら待っているに違いない彼らに、感謝の気持ちでいっぱいの雪耶だった。



雪耶が1階に着いた時、先を行く狂司郎は既にエントランスを突っ切っていた。

(あ、あれ?俺、狂さんに送って行くって言ったっけ?
うわ、もしかして言ってない?)

「狂さん、待って!」
雪耶が慌てて大きな声を上げる。
「狂さんっ!」

マンションの玄関で狂司郎が立ち止まり、振り返った。
笑みこそ浮かべてはいないけれど、和らいだ瞳が雪耶をちゃんと受け止めていてくれる。

雪耶もしっかりと見つめ返しながら、駆け寄っていった。
綻んで馨る花のような笑顔を乗せて…。



【荊-木犀は月に馨る-】 The End



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荊完結まで読んで下さりありがとうございました!
たくさんの拍手が励みになりました!
本当にありがとうございました。

狂司郎と雪耶のお話はまだまだ続きます。
これからも二人を見守ってやってくださいヾ(=^▽^=)ノ

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※荊後編、最終話です。※*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*....*.....*.....*.....*.....*雪耶は、狂司郎の後ろから階段を下り始めた。今もなお、静かな音を奏でながら雨は全てを濡らし続けている。でも、この階段を上がってきた時と、今の雪耶で...

| まとめwoネタ速suru | 2012/03/30 08:21 |

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