Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪143.荊-木犀は月に馨る- 4-30


護衛との約束の電話を入れた後、雪耶は狂司郎と一緒に実里の部屋を出た。

実里が「狂司郎は鍵を掛けない」と言っていたけれど、それは出て行くときも同じだったようで、部屋を出た狂司郎はそのまま階段に向かってしまい、慌てた雪耶が引き止めて鍵を掛けさせた。

「狂さん、鍵どうするの?持って帰るの?」
雪耶は、実里の部屋の鍵のことが気になって聞いてみた。
「…あ?……ああ…」
狂司郎は質問に答えず部屋の鍵をポケットに入れると、雪耶の顔をじっと見下ろしてくる。

「べ、別にっどうでもいいんだけど」
自分の質問が、狂司郎と実里の仲を疑っているようにも取れる内容だったと気づいた雪耶は、なんだか恥ずかしくなって狂司郎に背を向けた。

だが、すぐに雪耶の頭に狂司郎の手がポンと乗る。
「湊が来る時に預けとく」
雪耶の髪をクシャっとしながらそう言った狂司郎は、階段に向かった。

狂司郎が雪耶を安心させてくれたように思えて、雪耶は嬉しいような照れくさいような心境になる。
(でも、やっぱり嬉しいな)
と、その時、雪耶は、自分がすっかり忘れていた事柄を思い出した。

「あっ!忘れるところだった!狂さん!」
雪耶の呼びかけに、階段を下りようとしていた狂司郎が足を止め、振り返る。

雪耶は小走りで狂司郎の傍に寄る。
「あのね。西門さんが、『いつでもお帰りをお待ちしてます』って言ってた。
西門さん、口に出しては言わなかったけど、すごく心配そうだったよ?」

雪耶を見る狂司郎の表情が、ほんの少しだけ柔らかくなったような気がする。
だが、結局何も言わず、狂司郎は雪耶に背を向けると、階段を下りていった。

――彼の心は温かくなっているだろうか。

待ってる人がいる。
心配してくれてる人がいる。
そのことに狂司郎が気づいたら、彼が纏う荊も消えていくのかもしれない。



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|  ・狂司郎×雪耶 | 22:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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