Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪141.荊-木犀は月に馨る- 4-28


「狂さん、荷物はないの?」
プリンを食べ終えた雪耶は、先ほど狂司郎が手ぶらで帰ろうとしていたことを思い出し、聞いてみた。

「宅急便で送らせる」
手を止めた狂司郎がぶっきらぼうに答える。
実里に発送させるつもりなのだろう。

雪耶は護衛の車で着ているので、持って帰れると声をかけようとした時、狂司郎が「あ…」と微かな声を漏らし雪耶の背後に視線を向けた。
雪耶がその視線を追って振り返ると、そこには畳まれた布団があった。

「狂さんが持ってきたの?」
「…買った」
「え?買った?」
「ベッドで寝てたら、実里のヤツが床で寝ろって。 でも……床は痛ぇんだ」
雪耶はベッドを見て、なるほどと理解する。
確かにシングルベッドに、恋人同士でもない男女が寝るのは無理がある。
ベッドを追い出されたが床で寝るのは辛いので、狂司郎が布団を買ってきたというわけか。

ふと、雪耶の視線がベッドにある大きなぬいぐるみに止まる。
抱き枕だろうか。
とぼけた顔をしたショッキングピンクの兎。

雪耶は、この抱き枕と狂司郎が並んで寝ている姿を想像して、笑いそうになってしまう。
ヒクヒクする自分の頬を、雪耶は何気なく抑えて誤魔化しながら自分の脳内の笑いのツボを必死で封じる。

「狂さん、布団どうするの?」
「…置いとくとアイツがうるせぇ」
「……?…実里さん?」
「しまう場所ねぇって」
ボソッと答えると、狂司郎はプリンの最後の一口を口に入れた。

食べ終えた容器にスプーンをカランと放り込み、1個目の容器も一緒にテーブルの真ん中に押しやる。
3個目は食べないということだろうか。
雪耶はその空の容器を手元に引き寄せた。

「じゃあ持って帰る?」
「…取りに来させる」
「え?」
「湊に、取りに来させる」

新たな名前に雪耶は首を傾げる。
「湊って?」
雪耶の問いに、狂司郎がジロリと視線をよこす。
「…おまえに、ここを教えたやつだ」
「あ、西門さん?」
「………」
この場合の無言はきっと、肯定だ。

わざわざ西門に取りに来てもらうくらいならと、雪耶が先ほどの案を口にした。
「俺、車で来てるから積んで帰れるよ?ちょっと狭くなるかもだけど」
「いい」
「遠慮はいらないよ?ついでだし着替えとかも持って帰れば…」
「遠慮なんかしてねぇ」
「…そっか。うん。わかった」
狂司郎には狂司郎の判断があるのだろう。
しつこく言うと彼が不機嫌になるのがわかるので、それ以上は勧めなかった。



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拍手ありがとうございます(*´∀`)
荊のお話もラスト間近。あと少しですがお付き合いいただければ嬉しいです。
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