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絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪134.荊-木犀は月に馨る- 4-21


雪耶の告白に対する狂司郎の応えはない。
でも、不思議と不安は感じなかった。
自分に向けられる狂司郎の視線が、とても真摯なものだと感じているからだ。

英邸であったいろいろなことも含めて、自分が狂司郎を好きだということが、彼の心にどんな風に影響するのか想像もつかない。
受け入れてもらえるのか、それとも拒絶されてしまうのか。
ここで拒絶されてしまうなら、それまでだ。
完全に断ち切られる。
そうなれば、『自分の気持ちを伝えることが出来た』という、そのことだけを納得して去るしかないのだ。

その答えを急くことで、狂司郎を追い詰めたくはなかった。

狂司郎が好きだから、卒業までの残された時間を出来るだけ一緒にいたい。
もし、そんな雪耶の気持ちを狂司郎が受け止めてくれたなら、家に戻ってくれるのではないか。
狂司郎が雪耶と同じ意味で好きになってくれるかどうかはわからないけれど。

覗き込むように見つめてくる狂司郎の瞳を、雪耶はまっすぐに見つめ返していた。
狂司郎の瞳の色は榛色。ヘーゼルとも呼ばれる色だ。

(狂さんの目って、うちにあるアカシアの蜂蜜みたいな色だ…)

間近で見る狂司郎の、淡く透きとおるようなヘーゼルの虹彩は、縁取りのラインが少し青みがかっていて、虹彩そのものにも青や緑、黄色といった複数の色が混じっているように見える。
複雑な色の構成によって、光の反射で金色に見えたりするのだろう。

虹彩の色だけでなく、シャープに通る高い鼻筋や陰影の深い骨格、陶器のような白い肌など、狂司郎の顔立ちは一般的な日本人とは違う。
巷では、ハーフだ、クォーターだと噂されてもいる。
雪耶は狂司郎の整った容貌や均整のとれた体躯は、純粋にかっこいいと憧れもするし、賞賛に値する美形だと思っているのだが、耳にする噂には揶揄や嘲笑が籠められたものも多い。
それもまた、彼の孤独の背景になっているのかもしれなくて、雪耶は話題にしたことがなかった。

狂司郎の瞳に見入ってしまった雪耶は、影を作っている彼の長い前髪を邪魔に感じて、そっと手を伸ばす。
額にかかっている銀色の髪を、指先でこめかみの方に寄せようとするのだが、癖のない繊細な髪はすぐにサラサラと落ちてきてしまう。
シルバーに染めていると思っていたのだが、その髪にダメージはなく艶やかで感触も柔らかかった。

――もっと触りたい――

こんな風に狂司郎の近くにいられるのも、もしかしたら最後かもと思うと雪耶は躊躇していられなかった。
狂司郎のサイドの長い髪を、指先で掬うようにして手のひらに乗せて軽く握ってみる。
雪耶の指から零れた細い絹糸のような髪は、美しい軌跡を描きながら流れるように落ちていった。

「綺麗……」
無意識に雪耶が呟いた。



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|  ・狂司郎×雪耶 | 22:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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