Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪125.荊-木犀は月に馨る- 4-12


狂司郎の淡い色の虹彩が、今は昏い翳りを帯びている。
深く…重く…昏い…瞳の翳り…。
雪耶は、唐突に既視感のような感覚に囚われる。

―――この瞳をどこかで見た―――
いつだったのか、誰だったのか、まったくわからないけれど。
本当に見たのかどうかもわからないけれど。
どこかで同じものを見たような不思議な感覚。

この感覚は今までにも何度も体感したことがある。
だから、単なるデジャヴュとは思えないのだが、真相はいまもわからないままだった。


「あれはただの箱だ」
狂司郎の声に雪耶は我に返り、彼を見つめた。

「箱って?何?狂さんの家でしょ」
「……俺が入ってなくてもかまわねぇ……」
雪耶にまた、英邸の廊下で覚えた感覚が蘇る。
豪華だけれど、どこか寂寞とした家。

狂司郎の言葉の奥に隠された心情を読み解くことは、雪耶にはできない。
だが、自分の家を「箱」と表現する狂司郎に、どこか淋しさの色合いが滲んでいるのは見て取れた。

「…だから帰らないの?」
「……………」
「これからどうするの?」
「……………」
雪耶は狂司郎が「帰らない」と言うのが怖い。
尋ねながらも、それを言わないでくれと心の中で必死に訴えていた。

狂司郎が静かに小さく息を吐く。
「卒業したら家を出るつもりだったからな。
それが早くなるだけのことだ」

雪耶は自分の胸に、鋭いものが突き刺さったような気がした。
やはり狂司郎は家に帰らないつもりなのだ。
「……家を出るつもり?でも、生活はどうするの?」
声が震えそうになる。

「…金はあるし…とりあえず住む場所が決まればなんとかなるだろ」
「…が、学校は?」

縋るような視線を送る雪耶に、狂司郎は冷めた表情を見せる。
「働らかなきゃなんねぇだろうが」
「辞めるの?」
「……ああ」



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