Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪120.荊-木犀は月に馨る- 4-7


狂司郎にもたれかかりモゾモゾと身じろぎする雪耶は、自分の頭のてっぺんから響いてくる低い声を聴いた。

「無理すんな……。わざわざ嫌な思いすることねぇ」

あの日、過去を無理やり引っ張り出した狂司郎。
その彼が発する言葉は、動揺していた雪耶の心に静かに降りてくる。

狂司郎自身がそうだったのだろう。
だから同じ思いをすることはないと言ってくれるのだ。
雪耶の胸に温かいものが広がり、不安がゆっくりと霧散していく。

「でも。
俺はちゃんと話して、謝りたいんだ」
狂司郎を見て話がしたくて、顔を動かそうとする雪耶の後頭部を、狂司郎の掌が押さえる。

「謝るのは俺の方だ。
全部…俺のせいだからな。
………悪かった……」
狂司郎が謝罪する。
雪耶はわずかしか動かせない顔を必死で左右に振った。
「違うよ!あれは俺のトラウマが原因だから」

「それも、俺があんなことしちまったからだ。
……俺が、おまえを傷つけたんだ。
だから……お前が謝るな」
「狂さん…」

狂司郎もまた、ずっと自分自身を責め続けていたのだ。
パニックを起こした雪耶を心配し、責任を感じてもいたのだろう。
きっかけは確かに狂司郎だが、それは元々雪耶が抱えていたものだ。
そのことに狂司郎が責任を感じる必要はない。

「自分がまだ、あんな風にパニック起こすなんて思ってもいなかったから、俺自身驚いちゃって…。
狂さんはもっとびっくりだよね。
だからちゃんと説明した方がいいと思ったんだ」

少しでも狂司郎の心の重荷を解くためには、やはり、話すべきなのではないか。
自分がどんなに面倒なものを抱えているかを知らせることになってしまうけれど。

雪耶が迷い始めた時、雪耶の後頭部にある狂司郎の指先が、やわやわと髪を解すように動いた。
それがなんだか心地良くてそっと目を閉じた雪耶に、狂司郎の声が静かに響いてくる。

「トラウマがどうとか、ガキの頃にどうしたかなんて関係ねぇ。
お前はお前だろ?」

狂司郎のその言葉は短いけれど、雪耶の心に一瞬で大きく広がった。
狂司郎は前にも同じ言葉を言ってくれたことがある。
そして今も、変わらない気持ちで雪耶を見てくれている…。
気持ちがいっぱいで言葉が上手く出なくて、雪耶は何度も頷く。



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