Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪118.荊-木犀は月に馨る- 4-5


「それと……。狂さん、あのね…」
狂司郎の視線が、雪耶の明るいブラウンの瞳に戻ってくる。

「俺、狂さんを突き飛ばして帰っちゃったでしょ?
狂さんが声をかけてくれたのに、それも無視して…。
あのことも謝らなくちゃいけないんだ。
ちゃんとわけを話して、ちゃんと謝らなくちゃ…」

雪耶は、喉元に何かがせり上がってくるような感覚に怯えて、ゴクっと唾を飲み込む。
でも、その不快感は治まらない。

「前に屋上で俺、寝ぼけて狂さんを殴っちゃったことあったでしょ?
あれも同じなんだけど……トラウマ…って言えばいいのかな…。
…えっと…それは、俺が小さい頃に原因があって……」

――過去の真実を伝えて謝る――
九頭龍の瀬名に言われた言葉を何度も噛みしめながら、雪耶は狂司郎に説明しようとする。
しかし、そのためには、どうしても過去を思い出すことが必要になる。
雪耶はそれが怖い。
記憶の彼方に追いやっていた出来事を再び自分の中に取り込むことで、またしてもパニックを起こしてしまいそうな恐怖感が身体の芯から急速に広がっていく。

それでも、狂司郎に伝えて。
そして、謝らなくては…。

「あ……あ、のね。…俺………よ、幼稚園…の…」

雪耶の脳内に、幼い頃の自分に起きた光景が激しく点滅しながら蘇る。
それを認識するのが怖くて、雪耶は狂司郎の淡い榛色の虹彩を縋るように見つめ続けた。

感情を表に出さない狂司郎だが、視線に鋭さが増す。
おそらく雪耶の異変に気づいたのであろう。
そうとわかっても、今の雪耶にはどうすることもできない。

狂司郎のシャツを掴んだままの雪耶の指先が、細かく震え始める。
そこに視線を向けた狂司郎の長い睫毛が、かすかに揺らいだ。

狂司郎は左手を動かし、震える雪耶の手にそっと触れた。
そして、狂司郎の少し骨ばった長い指が、雪耶の小ぶりな手をしっかりと包み込んでいく。



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