Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

狂雪116.荊-木犀は月に馨る- 4-3


「……おまえ…」
身に纏う布地にかかる負荷が伝わったのか、シャツを握り締めた雪耶の右手に狂司郎の視線が落ちる。

「何してんだよ」
「俺が帰らないなら自分が出て行こうとか考えてない?」
「…は?」
「狂さん、ここから逃げようと思ってない?」
狂司郎が苦い顔つきになる。
「…なんで、俺が逃げんだよ!」

雪耶は意図せず口にしたものだったが、弱さを見せるのを嫌う狂司郎には、『逃げる』という言葉は屈辱なのだろう。
苦々しい表情のまま息を吐き出した狂司郎が、身体から僅かに緊張を解いた気配を雪耶は敏感に感じ取る。
これなら、シャツを握り締めた手を放しても大丈夫なのだろうが、何故か指を解くことができなかった。
狂司郎のシャツが自分の掌の中にある、ということに、心の何かが縋ってでもいるように。

そんな雪耶を狂司郎が見下ろし、ひそめていた眉を緩めた。
狂司郎の表情から、彼が強い拒絶をとりあえず収めてくれたのを悟った雪耶は、自分に注がれる視線に促されるようにして口を開く。

「狂さん。俺は、狂さんに謝りたいんだ」
「おまえが謝るようなことは、なんもねぇだろ…」
ピクリと眉を動かした狂司郎が、雪耶の言葉を否定する。
狂司郎から視線を外さないままで、雪耶はゆっくり顔を左右に振った。

「ううん。狂さんはどう思っていても、これは俺の中のけじめとして、きちんと謝りたいんだ。
だから、聞いて?」

「………」
狂司郎は、ほんの少し眉を寄せたが、それ以上は何も言わなかった。



テキスト by 流々透雫



Copyright (C)   ciliegio2012, All rights reserved.

↓ランキングに参加してます。クリックよろしくお願いします!
 にほんブログ村 小説ブログ BL小説へにほんブログ村

読んでくださってありがとうございます!拍手も嬉しいです\*^O^*/
関連記事
スポンサーサイト

|  ・狂司郎×雪耶 | 22:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://moelvabxb.blog81.fc2.com/tb.php/353-da3ff1bc

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。