Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪113.荊-木犀は月に馨る- 3-18


「キョウはね、煮詰まっちゃって出口を見つけられないんだと思う。
本人はたぶん気づいてないけど。
弱みを見せないように、虚勢を張って生きてきてるからなのか、自分の心に疎いところがあるみたいなの。
もっと周りに甘えれば楽だろうにって思うけど、それが出来ないのがキョウなんだろうね」

雪耶は、英邸で感じた深い静寂を思い出す。
そこに温かさは感じ取れなかった。
あの家で狂司郎は育ったのだ。
兄から酷い仕打ちを受けながら…。

あの日、荒れ狂った狂司郎を目の当たりにして、雪耶は彼が深い心の傷を負っているのだと察していた。
誰も寄せ付けようとしない彼の姿も、彼を取り巻く環境がそうせざるを得ない状況に追い込んでいるのかもしれない。

しかし、忙しい親に代わって狂司郎の面倒を見ている西門がいる。
彼は狂司郎の一番近い距離にいる人だ。
そして、任務というだけでなく、彼自身の心で狂司郎を心配していると雪耶は感じた。
狂司郎は西門にも心を許してはいないのだろうか。

ここにいる実里も、そしておそらく野網という男も、狂司郎を気にかけているのだろう。
狂司郎が求めれば手を差し出してくれそうな人たちだ。
しかし、それを狂司郎が拒絶しているのだとしたら?
それでは、狂司郎自身が孤独を生み出しているようなものだ。

そして、その孤独の中で、今、狂司郎が苦しんでいる……。

「俺、先輩にぶつかってみます。
嫌な顔されるだろうし、もしかしたら怒り出すかもしれないけど。
でも、それくらいじゃ俺も引く気ありませんから!」
雪耶は実里に力を込めて告げる。
それは、自分へ発破を掛ける意味でもあった。


「私、玄関の鍵は開けたまま出てきたから、たぶんそのままのはず。
いくら鍵をかけておいてって言っても、キョウはやらないから。
だから、チャイムを鳴らさずそのまま入ればいいわよ。
鳴らしたりするとキョウに締め出される可能性が大きいもの。
私、もう少しだけここにいるから、もし鍵が閉まってたらチャイムを鳴らさずに私を呼びに来て」
そう言って、実里はエントランスのロックを解除した。

雪耶は「ありがとうございました」と実里に深くお辞儀をすると、マンションの通路を歩き始めた。



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