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絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪110.荊-木犀は月に馨る- 3-15


実里が簡単に教えてくれた話によると、狂司郎が荒れて何度も家出を繰り返していた中学の頃にいつも彼を泊めていたのが、現在、海外に行っている野網という、実里の幼なじみの男だということだった。

野網は萌葉駅前の商店街『チェリーロード』近くでシルバーアクセサリーの小さな工房を営んでいて、狂司郎は中学生の頃からその店の顧客だったらしい。

中学生が何万もするシルバーアクセサリーを頻繁に買うなどとは一般家庭では考えられないが、英家の家柄を知っていれば驚くことでもない。
実里は野網からの繋がりで狂司郎と知り合い、当時、何度か家に泊めたこともあったと言う。

「私には何も言わなかったけど、あの頃のキョウは、ノア……あ、野網のことね。
ノアにはポツポツとは喋ってたみたい。
まぁそれも、抱えてるもののほんのカケラだろうけどね…。
キョウの家庭はいろいろと複雑みたいだから」
実里は雪耶を見ながらも、雪耶の瞳を通してどこか遠くに意識を向けているようだった。
だから、雪耶は口を挟まず実里の話に耳を傾ける。


「中学生のころのキョウはね、人の感情に敏感で、特に自分に向けられる悪意や敵意には瞬時に手が出るくらい沸点が低かったの。
なんていうんだろう。
自分の感情の起伏を、全て怒りに変換しちゃってるみたいな感じかな」

雪耶は、その言葉がすんなりと心に落ちて来るのに気づいた。
あの日の狂司郎の姿が脳裏に浮かんだからだ。
あの時、雪耶には激しい怒りを迸らせながらも、狂司郎の瞳はどこか傷ついていたように見えていた。
雪耶に対してぶつけた怒りの中に、彼の心が負っている痛みや苦しみ、悲しみのようなものがあったのだろう。

雪耶は無言のまま唇を噛む。



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|  ・狂司郎×雪耶 | 21:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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