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絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪96.荊-木犀は月に馨る- 3-1


荊-木犀は月に馨る- 第3章


オートロックのパネル部分に伸ばされた手が逡巡するかのようにふと動きを止めるが、すぐに気を取り直し、ゆっくりと着実に数字を押し始めた。
3つの数字を入力し最後に呼び出しボタンを押した雪耶は薄く息を吐き、パネルのカメラ部分に視線を向けた。


嶋野実里(しまの みのり)のマンションは、萌葉駅を挟んで私立桜華学園とは反対の方角にある。
花見で有名な大きな公園に程近く、萌葉駅と渋谷駅を結ぶ私鉄沿線という交通至便な土地にあった。

英邸から車に戻るなり西門に書いてもらったメモを差し出して「狂司郎に会いたいから連れて行って欲しい」と頼む雪耶を、護衛の山本と川田はここまで送り、現在はマンションのエントランス前の路上に停車して待機していた。

英邸での状況を詳しくは語らなかった雪耶だったが、その様子から何かを察知したのであろう、気遣わしげな表情で見ながらも深く追求することなく連れてきてくれた二人に雪耶は感謝している。
だが、人目につかないように待機していてくれという願いは聞き入れられなかったことで、雪耶の心には小さな引っかき傷が残った。
もっとも、部屋の前で待機すると言い張る川田を、車中に押しとどめられただけでもましだと思うべきだろうが。


パネルのカメラ部分を見つめ、わずかに緊張した面持ちの雪耶の耳が小さな接続音を捉えた直後、『はい』という女性の声がインターフォンから響いた。

「はじめまして。
桜華学園1年の久世雪耶といいます。
英先輩にお会いしたいのですが、そちらに先輩はいらっしゃいますか?」
車の中で何度も反芻していたセリフを、噛まないように気をつけながら一気にマイクに当てた。

『………』
だが、返答がない。

無言のインターフォンを前に雪耶の視線が不安げに揺れた時、やっと目の前の無機質なパネルが声を届けてくれた。
『……どうしてここが?』

インターフォンから聞こえてくる戸惑いを含んだ音声に雪耶は慎重に答える。
「先輩の家の西門さんに、こちらにいらっしゃるとお聞きして来ました」

再びの沈黙がしばし続いた後、『わかりました。今、開けます』という答えが返ってきたことに、雪耶はホッと緊張を解く。

だが、これが第一段階突破と言えるのかどうか。
緊張が解けたのも一瞬で、雪耶はすぐに口元を引き締める。



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桜華裏話:東京都萌葉市は架空の都市ですが、実在する駅をモデルに萌葉駅を設定してます。

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