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絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪95.荊-木犀は月に馨る- 2-16


無言のままたどりついたエントランスで、西門は申し訳なさそうに頭を下げる。
「お茶の一杯もお出しせずに引き止めてしまって、すみませんでした。
久世くんが来られたことを、この家の者には告げておりませんでしたので…」

西門の素振りには、雪耶が来たことをこの家の人間に内密にしようという気配は全く感じなかったが、「告げなかった」というその言葉の裏に、この家の複雑な事情があるのだろうと雪耶は察した。

「気にしないでください。俺の方こそ突然お邪魔してすみませんでした。
俺の話、ちゃんと聞いてくださって嬉しかったです。
ありがとうございました」
西門に雪耶は深くお辞儀をする。

「こちらこそ。
狂司郎様の家出の原因がわかり助かりました。
ありがとうございます」

玄関を出ると、門まで送ると言う西門を雪耶は押し留めた。
「ここでいいです。あとはわかりますから。
西門さん、お仕事に戻ってください」
「よろしいのですか?
でしたら、さっき入ってきた通用口のロックを解除しておきますので、そちらからお帰りになって下さい」
「わかりました。
今日は本当にありがとうございました」
そう言って歩き出した雪耶だったが、ふと立ち止まり西門を振り返った。

「西門さん、狂さんに何か伝言とかありますか?
会えたら伝えますから」

雪耶の言葉に西門は目を見開き、束の間考えを巡らせるような表情になる。
そして、一度瞬きをすると、低いが温かく響く声を雪耶に送った。
「…湊はいつでもお帰りをお待ちしています…とだけ伝えていただけますか?」

その言葉に添えられた西門の柔らかく優しい微笑が、少し寂しげに見えて、雪耶の心を叩いた。

(あんな風に突き放したことを言ってたけど、この人、本当は狂さんのことをすごく心配しているのかもしれない。
だって、狂さんの一番近くにいる人だもんな…)

雪耶はもう一度西門に頭を下げると、踵を返して門に向かって歩き出した。



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