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絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪94.荊-木犀は月に馨る- 2-15


西門はスーツの胸ポケットからペンと手帳を取り出すと、1枚をピリッと破り取り、手帳を見ながら何かを書き写した。
その紙切れを、テーブルの上で滑らせるようにして雪耶の前に置く。
「それが狂司郎様のいる場所です。
嶋野さんという女性のお宅ですが」

女性と聞いて雪耶は無意識に瞬きをする。
「……女性の…?
あの…もしかして狂さんの彼女とか?」
もしそうなら話が微妙に変わってくるような気がして、雪耶は西門に尋ねた。

「いえ。そうではないようです。
狂司郎様が中学の頃から交流があった人のようですが、恋人ではないと聞いております。
学生ではなく社会人で一人暮らしをされてる方です」

狂司郎が女性のところにいると聞き、少なからず戸惑いを隠せない雪耶の瞳を、西門の視線がまっすぐに射抜いてくる。
その視線は、『そんなところでも訪ねる勇気があるのか』と聞いてきているような気がした雪耶は、気持ちを奮い立たせるようにして改めて心を決め、西門から渡された紙片を見る。
そこには嶋野実里という名前と住所、電話番号が書いてあった。

「わかりました。
車で来ているのでこれから行ってみます」

雪耶の言葉に西門が温かな微笑を浮かべた。
「お見舞いに持ってきてくださったプリンは、せっかくですから狂司郎様に渡してあげてください。
プリンは彼の好物ですし」

(やっぱ狂さんプリンが好きなんだ!)
雪耶は自分の読みが外れてないことにホッとした。

「じゃあこれは狂さんに持っていきます」
雪耶はそう言って顔を綻ばせながら立ち上がると、プリンの袋を手に西門と共に狂司郎の部屋を後にした。


狂司郎の部屋からエントランスまで、誰の姿も見かけなかった。
雪耶の前には現れなくとも、それぞれの場所で働く人たちがいるのだろう。
だが、天井が高く空間の広さを感じさせる屋敷だけに、人の気配がしないことがさらなる深く重い静寂として雪耶の心に影を落としてくるような気がした。



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