Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪89.荊-木犀は月に馨る- 2-10


「狂さん、確かに怒ってましたけど、でもそれ以上に怒らせてしまったのは俺なんです」
「それはいったいどういうことです?」
「狂さんとお兄さんの関係がどんなものかも知らないくせに、俺の兄弟観で狂さんに言葉をかけてしまったから…」

あの時の自分のうかつな発言が原因だと唇を噛む雪耶を、急かすことなく西門は静かに見守り、言葉の続きを待っている。

「狂さんにしてみれば、『おまえになにがわかる!』って腹立たしかったんだと思います。
そしたら狂さん、子供の頃のことを話し始めて、でも…俺、その話が信じられなくて。
狂さんが嘘を言ってると思ったわけじゃないんです。
でも、兄弟でそんなことがあるのかっていう驚きの方が強くて。
俺が信じてないのがわかるから、狂さんもどんどん怒りが大きくなっていったんです。
その時俺、どうしたらいいかわからなくて、そんな俺の態度がさらに狂さんを怒らせる悪循環で…」

「子供の頃の話と言うのはいったいどういった話だったんですか?」

眉を寄せ硬い表情で尋ねる西門を前に、雪耶は打ち明けていいものかどうか逡巡する。
これまでの話をきちんと聞いてくれた西門だから、この先も大丈夫だろうと雪耶は判断し、狂司郎から聞いた二つの話をかいつまんで伝えた。
有介に殺されそうになったこと。
そして、有介にレイプされそうになったことだ。

狂司郎が有介に窓から落とされたことを、「殺されそうになった」と表現していたという雪耶の話に、西門は瞠目した。
「狂司郎様がそんな風に仰っていたんですか」

この話をした時の狂司郎は、『有介に脅されたがそれに屈しなかったため窓から落とされた』ということを明かしはしたが、当時の詳細を語ることはなかった。
あとは、ずっとどこか遠い目をして黙り込んでいたので、事の真相は雪耶にはわからない。

「私がこの家に来るより以前に、狂司郎様が窓から落ちて怪我をしたという話は知っています。
ですが、それは部屋を抜け出そうとした彼が誤って窓から落ちたと、私は聞いていたんですよ。
でも現実はそうではなかったということですか…。
有介様が本当に狂司郎様を殺そうとしたかどうかはわかりませんが、少なくとも幼い狂司郎様は、そう解釈していたということなんでしょうね」

どこか悲しげにすら見える影を帯びた西門の顔からは、それまでの感情を読ませない硬質さが消えていた。
そんな西門に追い打ちをかけたのは、有介のレイプ未遂の話を雪耶が聞いたことだった。
狂司郎から聞いたと口ごもりながら説明する雪耶に対して、「そんなことまで……」と呟いたきり絶句してしまった西門によって、狂司郎の話が真実だと図らずも証明されてしまった。



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|  ・狂司郎×雪耶 | 18:36 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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