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絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪76.荊-木犀は月に馨る- 1-10


「久世くん、コーヒー飲むわよね?」
「いえ…」
「私が飲みたいのよ。付き合って?」
物理教師の藤巻小春はそう言って、雪耶に人懐っこい笑顔を向ける。
「あ、はい。じゃあ…頂きます」
「うんうん!ちょっと待っててね」

コーヒーを用意する小春の後姿をぼんやりと雪耶は眺めていた。

あれから教室に戻った雪耶だったが、思考はすぐに狂司郎のことに彷徨いだしてしまい午後の授業に全く集中できなかった。

現状を把握しないまま、不安に煽られ考え続けても何の意味もない。
そう思った雪耶は放課後を待ち、物理準備室の小春を訪ねてきたのだ。

コトンと小さな音を立て、目の前の机にマグカップが置かれた。
「はい、どうぞ」
雪耶に声をかけた小春は自身の椅子に腰を下ろすと、小さな口を窄めてマグカップのコーヒーに静かに息を吹きかける。
「ありがとうございます」
小春に軽く会釈した雪耶は、かすかに湯気を立ち上らせ視覚的にもその温度を主張しているマグカップに、そっと両手を添えた。

黙り込む雪耶だったが、小春はそれを問うことなく、
「放課後に飲むコーヒーはインスタントでもおいしく感じるから不思議よね」
と、暢気なそぶりでコーヒーを飲んでいる。
狂司郎について尋ねることに逡巡している今の雪耶には、それがありがたかった。

この藤巻小春という教師は生徒たちから人気が高い。
この学園において希少価値の女性教諭である、ということだけが理由ではない。
それも一因ではあるのだが、それよりも彼女の生徒に対する姿勢というのが大きな要因であろう。
明るく大らかな彼女だが、さりげない目配りでその時々の生徒の様子を察知し、それに適した対応をする。
「小春先生は話しやすい」という生徒たちの評価はそこからきているのだ。

雪耶も以前、自身の抱える不安をそれとなく小春にこぼしたことがあるのだが、その時も彼女は問い詰めることなく雪耶の話をしっかりと聞いてくれた。
狂司郎のことを尋ねるのに、彼の担任ではなくこの物理教師を選んだ理由もそれがあったからだ。
彼女は進路指導の担当教師であるため狂司郎との接点もあるのだが、狂司郎について詳しく知っているのかどうかは雪耶にはわからない。

雪耶の家庭環境は、桜華学園の全教師が知るところであり、その雪耶が、桜華学園の問題児ともいえる狂司郎について尋ねたりすれば、少なからず危惧を抱くであろう。

だが、小春ならそういった先入観を持つことなく、話を聞いてくれそうだと雪耶は判断した。
だから、授業を終えると、真っ直ぐにここを訪ねて来たのだった。



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桜華裏話:極秘ですが、小春先生はオリJUNEの壁サークルです。
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|  ・狂司郎×雪耶 | 17:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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