Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪75.荊-木犀は月に馨る- 1-9


降り注ぐ柔らかな日差しの中、屋上のコンクリート床に足を投げ出すようにして座っているのは2年生の鈴原時留だ。
雪耶は時留とはほとんど喋ったことがないのだが、彼が狂司郎と一緒にいるところを何度か見かけたことがあるので、顔と名前だけは知っていた。
時留の傍らに横になって寝転がり、下になった腕を支えに時留を見上げ何か話しかけている男子生徒は、シルバーの髪ではなく、オレンジがかった明るい茶髪だった。

雪耶の顔に落胆の色が浮かぶ。

――あとは……どこだ?――

まだ治まらない荒い息遣いのまま雪耶は今上がって来たばかりの階段を降りながら、狂司郎の行きそうな場所に思いを巡らせる。
もし、空き教室にでももぐりこんでいるのであれば、この休憩時間の間に探し出すのは不可能だ。

それでも諦めきれない雪耶は、もう一度狂司郎の教室を覗くが、やはり彼の姿はなかった。
小さなため息をこぼし、渡り廊下に向かって足早に歩き出した雪耶は、ふいにその歩を止める。

――何やってんだ?俺…。
狂さんは休んでるって聞いたんじゃないか。
なのになんで探してるんだ、こんなに必死になって…――

それは単純なことだった。
ただ、狂司郎を見つけたかっただけだ。
狂司郎が学校を休んでいるという事実を認めたくなかっただけだ。
狂司郎が欠席しているというのが現実なら、その理由に思考が至るから。

病欠かもしれない。
だが、雪耶にはあの日の出来事が影響しているとしか思えず、心の中に暗色の澱のようなものが重く深く沈みこんでいく。
そして、それは雪耶の心を侵食し続けている大きく複雑な渦の中に溶け出し、歪んだ模様を描きながら混じりこんでいく。


自嘲の笑みを浮かべた雪耶は、自分の教室に向かって、ゆっくりと歩き出した。


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桜華裏話:屋上は狂司郎の昼寝場所。中庭のベンチも同じく。但し、気候がいい時期限定w
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|  ・狂司郎×雪耶 | 17:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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