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絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪72.荊-木犀は月に馨る- 1-6


私立桜華学園はミッションスクールではないのだが、どっしりとした重厚感漂う洋風建築の校舎ゆえ、それと勘違いする人も多い。

校舎を飾るのはアンティークな雰囲気を醸しだす格子窓だ。
雪耶の教室の壁にずらりと並んだ天井近くまでの高さのある縦長の窓が、中庭を挟んだ正面に建つ煉瓦張りの外壁の校舎を映し出す。
その風景には、まるで洋画のワンシーンを切り取ったかのような美しさがある。


窓から見えるのは高等部3年生の校舎だった。
その3階部分には広いバルコニーがあり、3年生たちが昼食後のひと時を思い思いに過ごしている。

狂司郎と知り合って以来、時折バルコニーに姿を現す彼を見つけるのが楽しみで、ついつい窓の外に視線がいってしまう雪耶だったが、この1週間は一度として見ようとはしなかった。
そこに狂司郎の姿を見つけるのが怖くて、ずっと目を向けないようにしてきたのだ。

狂司郎に向き合うべきだと思うのに行動に移せず逃げてばかりで、後悔や罪悪感、焦燥感といった鬱々とした感情の渦の中に留まり続けている雪耶だが、出口が見えないのではない。
渦を巻き起こす根源が何なのかと本質部分だけを探ってみれば、そこにはぽっかりと出口が開いている。

否。
開いているのではなく、自分が開けたのだ。

開けたくはなかったけれど、それしか今の自分には出来ないような気持ちになっていた。
そこからは漏れ出す光はなにもなく、たぶんその先は閉じた世界だ。
雪耶にはそれがわかる。
なぜなら、かつて自分がずっといた場所だから。

――そこに行きたくはない――
でも、そうするのが一番なのだと自分自身を説得しようとしていた。

だから、狂司郎を見るのが怖かった。
彼の姿を見て、彼の傍にいたいと思ってしまう自分が怖かった。



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