Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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黒龍は木犀を甘く喰む4

「……瀬名さん」

 自分を呼ぶ雪耶に素早く近寄り、小さな身体を庇うように腕の中に納める。
 雪耶は両手で顔を覆いながら、瀬名の胸に縋りつく様に身を預けた。
 その肩が震えているのが解る。

「何があったのです?」
「……瀬名さん、俺」

 暫く身じろぎもしなかった雪耶が、顔を上げて自分の掌を見詰めた。
 ゆるく開いた指先も細かく震えている。
 瀬名は雪耶を脅かさないようにゆっくりと腕を動かし、彼の頬を両手でそっと包み込んだ。

「雪耶さん」
「俺……狂さんに、酷いこ…と……酷いことしたかも……っ」
「……雪耶さん」

 雪耶の琥珀色の瞳が暗く翳り、それとは相反するようにゆるゆると潤んでいる。
 掌を見詰めたまま、神に懺悔するように紡ぐ言葉が痛々しくさえ感じた。

「俺……平気になったと思ってたのに……もう、全然大丈夫って、思ってた…のに」
「雪耶さん……喋らなくていい、少し落ち着きましょう」
「狂さんを、拒絶…しちゃった……」
「ちょっとしたすれ違いでしょう?心配ない……明日にでも謝れば仲直り出来ます」
「狂さんに……腕…掴まれたとき、俺……俺っ」
「雪耶さん!もういい!」

 有無を言わさずに、その小さな身を強く抱きしめて言葉を奪う。
 雪耶の台詞を最後まで聞かなくても瀬名は理解した。
 経緯はどうであれ、彼の抱えるトラウマが頭を擡げ、親しみを持って接してきてくれていた相手を酷く拒んだ事を。


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