Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪57.荊-月は闇に翳る-12

狂司郎は幸運なことに、庭にあった低い樹木の植え込みに一旦引っかかるようにして落ちたため、 右腕の骨折と樹木に擦れたために出来たかすり傷程度の怪我ですんだ。

その異変をどこかで見ていたのか、すぐさま駆けつけた使用人の田上によって狂司郎は病院に運ばれたが、 田上に窓から落ちた原因を聞かれることはなく、狂司郎の父・英にどんな内容の報告がされたのかも狂司郎に知らされることはなかった。

狂司郎自身、兄に落とされたという衝撃に深く傷つき、心を閉ざしてしまっていたので 、誰かに何かを聞かれても答えることはできなかったであろう。


今、狂司郎の脳裏では、当時の光景が繰り返し再生されていた。
思い出したくもない過去の出来事。
心のずっとずっと深い所に押し込んでいた記憶。 

「消えろ」
「出て行け」
「お前なんか生まれてこなければよかった」
物心がついた頃から、そういった言葉を有介に浴びせられ自分の存在を否定され続けていた狂司郎には、 あの時の有介は最初から落とすつもりだったとしか思えなかった。


心の奥底から引きずり出した記憶によって、 有介に対する怒りが沸々と胸のうちで煮えたぎる。
ドロドロと熱く滾った液体が胸から血管を通って体中を焦げ付かせていくような感覚に、 狂司郎は唇を噛み締めたまま立ち尽くしていた。


「……さん!…狂さんっ」

ふと、耳に届いた声に狂司郎の意識が記憶の狭間から覚醒し、現実に戻った視線が、 間近で不安げに見上げている雪耶の瞳をとらえる。

だが、自分を見つめる雪耶の視線の中に労わりの色を感じてしまった狂司郎の心が反発する。

―憐れまれているのか?冗談じゃない。―


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