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絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪56.荊-月は闇に翳る-11

「暴れるなよ。暴れたら落とすぞ」
後ろから聞こえたのは、有介の声だった。
もう空を見る余裕なんてなかった。

縋るものが何もない不安と怖さ。
目に見えるのは、やたらと遠くに離れて見える庭の芝生。

怖い。怖い。怖い。

「このまま落ちたらどうなるだろうな?」
どこか笑いを含んだような有介の声が聞こえる。
自分の両脇に食い込んでいる有介の指先の力強さだけが頼りで、
その手を思わず掴んだ。

このまま落ちたら…死ぬのかな?
死ななくても怪我はするんだろうな。

「助けて欲しいなら、助けてくださいって言ってみろよ。
言わないとこの手を離すぞ?」
そう言って有介が体を揺らす。

怖い。怖い。怖い。

でも。

助けてと言うのは嫌だ。


だから、自分の体を掴む有介の腕につかまろうとして身をよじった。
なんとか部屋に方に向こうとして体を動かした。
「おいっ」と唸る有介の声が聞こえたような気がする。
それでも、頼れる何かを掴もうとして必死だった。
それなのに、暴れた拍子に窓枠に引っかかっていた足が外れて、壁を蹴ってしまった。


そして。
体を支えていた有介の手が離れた…。

暴れるなと言われたのに暴れたから、落とされた…。

有介に、落とされた…。

後はもうよく覚えていない。

落ちた瞬間、痛かったのかどうかさえもう記憶にはない。
あるのは、落ちたあと芝生の上に転がって、
死ななかったんだ、と思ったことだけ。


でも、それまでの出来事は今でもこうしてよく覚えている。
忘れてしまいたいのに、そういうことほど覚えているものだ―――


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