Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

狂雪55.荊-月は闇に翳る-10

有介が『あの女』と呼んだ狂司郎の母は、小学校の入学式の翌日、狂司郎が学校に行っている間に家を去ってしまった。


―――それっきり。
待っても待ってもママンは戻ってこなかった。

学校から帰っても『おかえり』と抱きしめてくれる腕もなくて。
だから学校から帰るといつも窓を開けた。

最初は学校であったあれやこれやを思い出しながら空を見てるけど、
ずっと見てるうちに頭の中から何もかもが消えていく。
それが好きだった。



青い空が広がっている日だった。
大きく開け放った窓から入り込む空気が少し冷たくて、
でも、自分の温度がもっとそれより冷たいような気がしていた。


自分の唯一の居場所である子供部屋の窓から空を見上げていた。
その頃、使っていた子供部屋は3階にあった。
今より1階分高かったから、少しだけ空に近い部屋だった。
それでももっと空に近づきたくて、
椅子を窓際まで押していき、その上に膝立ちになって見上げていた。

空には雲もなかった。
ただ、青い色が広がるだけ。

形をさまざまに変えながらゆったりと空を泳ぐ雲を見るのも好きだけど
何もないただ青一色の空は、
自分が手を伸ばして飛び込めば、どこまでも深く遠く泳いで行けそうな気がする。

窓から体を乗り出すようにして空を見上げ、両の手を青い色の中に突き出す。
本当に飛び込めたらいいと思いながら、空の青の中に突っ込んだ自分の両手を見ていた。


ドアが開く音には気付かなかった。
足音が近づいてきて、やっと誰かが入ってきたことに気付いて振り返ろうとした。

でも振り返る前に、後から両方の脇の下に手を入れられて、
気付いた時には抱き上げられて、そのまま窓から外へ体を持ち出されてしまった。
落ちはしなかった。
両脇を痛いくらいに掴まれていたし、足はまだ窓枠に引っかかっていたから。


テキスト by 流々透雫

Copyright (C)   ciliegio2010, All rights reserved.


↓ランキングに参加しています。↓よかったらポチしてください。
 にほんブログ村 小説ブログ BL小説へにほんブログ村


拍手(●′З`)ノ ありがと-う♪.+゜
関連記事
スポンサーサイト

|  ・狂司郎×雪耶 | 20:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://moelvabxb.blog81.fc2.com/tb.php/257-3f87fb39

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。