Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪54.荊-月は闇に翳る-9

「くそっ!」
狂司郎の拳が再びソファにめり込む。

「狂さん!」
雪耶の呼びかけに、つりあがった眦をさらに険しくした狂司郎が振り返る。
「あぁっ?」

「…狂さん。ごめん。俺のせいで」
「なんでおまえが謝るんだよ!謝る必要なんかねぇだろうがっ」
「あるよ!俺がいたせいで狂さんに嫌な思いをさせたんだよ」
「おまえのせいじゃねぇよ!あいつはっ……」

狂司郎は言い淀み口を噤むと、雪耶からふと視線を逸らす。

「ううん。お兄さんみたいに立派な人からしたら
俺みたいなのが自分の弟と一緒にいるのを心配するのは当たり前だよ」

それを聞いた狂司郎は酷薄な笑みを浮かべるかのように唇の端を上げると、雪耶の瞳に射る様な視線をぶつけ、言葉を吐き出した。
「あいつが立派だって?とんでもねぇよ。
あいつはサイテーの野郎だ」

「え?」 
自身にもふたりの兄がいる雪耶だが、兄に対してサイテーだと吐き捨てるように言う狂司郎の言葉が上手く飲み込めず、訝るような表情で狂司郎を見上げた。

「…あいつのことを兄弟だなんて思ったことなんて一度もねぇ。
それはあいつも同じだろうよ」
「何言ってんの?狂さんのお兄さんでしょ!」
「元々、半分しか血が繋がってねぇしな。
その半分の血だって捨ててぇよ!」
狂司郎は英の後妻の子だ。12歳年上の有介とは腹違いの兄弟になる。

「狂さん!」
その狂司郎の言葉に雪耶はサッと顔色を変えると狂司郎の両腕を掴み、詰め寄るように言葉を繋いだ。

「そんなこと言っちゃダメだ!
血が半分だろうとなんだろうと兄弟は兄弟なんだよ!」

雪耶は自分よりも10cm以上高い位置にある狂司郎の薄い虹彩の瞳を縋るように見つめた。
雪耶の反応に眉をひそめ鋭い視線を向ける狂司郎の瞳にも、そして、それを見上げる雪耶の瞳にも暗い翳りが宿る。


「…おまえにはわかんねぇよ」

膠着したようなしばしの沈黙を破り、狂司郎が低く呟いた直後、 自分の腕を掴んでいた雪耶の手を振り払う。

「俺はガキの頃、アイツに殺されかけたんだ」

「…?」
狂司郎が何を言い出したのか咄嗟に理解できず、雪耶は目を見開き呆然と固まってしまった。

そんな雪耶を、狂司郎は冷たく凍りついた表情で見下ろすと、唇を歪め唐突に語りだした。
「俺は3階からアイツに投げ落とされたんだよ。
…いきなり部屋に入ってきたアイツが、俺を抱えあげたと思ったら
そのまま窓の外に出して、『助けてくださいって言ってみろ』
そう言って笑いやがって…」

「……」
信じられないようなことを吐き出した白皙の顔を雪耶は瞠目したまま見つめていた。


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