Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪48.荊-月は闇に翳る-3

英邸の玄関ホールに入った雪耶は、目の前に広がる光景に圧倒されて思わず立ち止まってしまった。

吹き抜けになった広い空間の中に、視覚的な美しさを計算して飾られているとわかる観葉植物や、何本の花を使っているのか予想がつけられないほどの豪華なフラワーアレンジメント、壁に展示されているいかにも高価そうな絵画など、一般家庭とはかけ離れた世界に、「おい」という狂司郎の低い声を脳内が認識するまで、ぽっかりと口を開けたままの雪耶だった。

我に返った雪耶の視線が、正面にある大きな階段に片足をかけてこちらを振り返っている狂司郎を捕らえる。

慌てて走り寄ろうとして、自分が靴を履いたままであることに気付く。
「あ、あれ?靴はどこで?」
「そのままでいい」
そう言われ、足早に狂司郎の傍に近づいた時だった。


「出迎えがなくて寂しいか?」
少し尖ったような含みを感じる声が聞こえ、狂司郎も雪耶もその方向に顔を向ける。


吹き抜けになった2階部分に、素人目にも高級だとわかるような上質のスーツをすらりとした痩身に纏った男が、階段の手すりに軽くもたれるように立ち、狂司郎を見下ろしていた。

さらりとした黒髪と細面の顔は、どこか冷たく神経質な雰囲気を感じさせる。
口元は笑みの形を作ってはいるが、実は笑っていないのを眼鏡の奥の見下すような目つきが物語っていた。

「西門はまだ本社から戻ってないらしいぞ。
…あいつも可哀相な男だ。
お前のお守りなんかしてる間にエリートコースから外れちまって、もう出世は無理なんじゃないか?
あいつにとってもお前は疫病神だな。よく耐えてお前に傅いてるよ。
感心し過ぎて笑えてくるね」

男の言葉は明らかに狂司郎に対する侮蔑であったが、狂司郎は無言のまま表情を変えることなく、鋭い視線を男に突きつける。


英家の内情を知らない雪耶だが、男の登場によって空気が一瞬で温度を下げ鋭く張りつめたのを敏感に感じ取っていた。

(誰だろう?…もしかしてお兄さん?
でもお兄さんだったら弟に対してこんな冷たい言い方しないよな…)

男の言葉だけでなく、その表情にも狂司郎に対する険のようなものを感じた雪耶は、それまでのはしゃいだテンションが一気に冷め、いたたまれないような気分になっていた。


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|  ・狂司郎×雪耶 | 18:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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