Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪41.時の流れる電車に乗って 8

 会話もない。
 相手の顔を見るわけでもない。
 ただ背中越しに触れ合ったままでいるだけなのに、ずっとこの時間が続けばいい…と雪耶は想う。
 他の人達にしてみれば、なんの変哲もないありふれた日常なのかもしれないが、雪耶にとって今のこの瞬間はとても特別なものに感じる。
 自分の日常と違う時間を過ごす事、雪耶にとっては今がそれに値する出来事だった。

「ちょっと…あれって久世じゃない?」

 不意に、自分の名前を耳にして、雪耶の思考が遮られる。
 目線だけを声のしたほうに向けると、とある私立高校の制服を着た男女混ざった数人が、こちらに視線を走らせながらこそこそと話しているのが目に入った。
 雪耶の背中越しに身を預けた相手が身じろいたのを感じて、狂司郎もそのグループに気付いたことを知る。

「あの後ろのカッコイイ人、誰~?」
「てか、久世が笑ってるの、初めてみた」
「あいつ見るの、中学んときの、あの事件以来じゃん?」
「あれって、桜華の制服だろ?あいつ桜華に行ったんだ」

 電車の走る音と相まって声を潜めて話しているようでも、雪耶の耳には彼らの話す内容はしっかりと聞えてくる。
 その声はきっと狂司郎にも聞えているだろう。
 雪耶は、あぁ…と心の中で一人納得する。
 行動を制限されてはいても車で送り迎えしてもらっていれば、こういう思い出したくない出逢いも無くて済むのか…と。

~※~

 雪耶は中学まで、小中高一貫の男女共学の私立学校へ通っていた。
 その学校も、桜華と同じようにセキュリティのしっかりとした格式高い歴史のあるところではあったが、雪耶の家庭事情は当然の如く何処からか漏れ伝わってくる。
 一貫の持ち上がり学内では、雪耶の周りの面々が大きく変わるはずがない。
 小学校、中学校と、雪耶の周りに友人と呼べる人間は一人も居なかった。


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