Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

狂雪40.時の流れる電車に乗って 7

 その後、意外なスピードでホームに流れ込んできた電車が、規則正しく並んだ白線に寸分の狂いもなくドア部分を揃えて停車する。
 雪耶は、それにさえも感嘆の声を上げた。

 乗っていた乗客が先に降り、乗り込む乗客がほぼ途切れた頃に、雪耶たちも電車に乗り込んだ。
 ホームとは反対側のドアの脇に狂司郎と雪耶は立ち、川田は乗り込んだドア辺りに、そ知らぬ表情をして立っている。
 雪耶は、動き出した電車の中で車両の左右を楽しげに見渡した。
 会社員らしいスーツ姿の人、小さな子供とお母さん、お年寄りに、数人で固まって楽しげに声を上げている学生も居る。
 立場や年齢の違う人間が同じ空間に乗合わす電車が、雪耶にとっては本気で珍しいのだ。
 ふと、ドアのガラスに目をやると、建物の間から桜華学園の校舎が見えた。

「狂さん! 学校が見える!」

 目の前を、速いスピードで過ぎる風景と、その向こうで緩やかに流れる風景。
 車から見るのとは違うスピードと高さから、雪耶は思わずドアに齧り付く。
 見えなくなっていく学校の校舎を追って動いた視界に、座席に膝立ちになって自分と同じように窓に齧り付いて外を見ている、小さな子が目に入った。
 あんな小さな子供と同じように自分がはしゃいでいることに気付いて、「あ…」と思わず声を上げた雪耶の後ろから、狂司郎のぷっと吹き出す声が聞えた。
 ガキっぽいとばかにされたような気持ちになって、少し拗ねた顔で振り向いた瞬間、電車がガタンと揺れる。

「うわっ」

 運動神経はいい雪耶だが、馴れない電車の揺れに思わず体が傾く。
 だが、雪耶の体は倒れることなく、やんわりと狂司郎の体と腕に支えられた。
 自分の体重をまるっきり狂司郎に預けてしまって、慌てて態勢を立て直そうと謝る雪耶に、狂司郎は「そのまま縋っとけ」と言うと、肩に回した腕で、雪耶の体を自分の胸に引き寄せた。
 背中に触れる狂司郎の温もりが、雪耶に心地いい安心感をくれる。
 そのまま、ドアの外を二人して眺める。


テキスト by 辰城百夏

Copyright (C)   ciliegio2009, All rights reserved.


↓ランキングに参加しています。↓よかったらポチしてください。
 にほんブログ村 小説ブログ BL小説へにほんブログ村

拍手(●′З`)ノ ありがと-う♪.+゜

関連記事
スポンサーサイト

|  ・狂司郎×雪耶 | 18:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://moelvabxb.blog81.fc2.com/tb.php/229-31fe930b

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。