Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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狂雪27.Piccola stanza con chiave 1


放課後。
今日の授業は終わったが、物理準備室にはまだ明かりがともっており、中からは小春の声が聞こえてくる。

「担任の先生とも相談したんだけど、こないだの校内模試の結果だと、このあたりが志望校として適当だと思うのよね。あなたの成績だともう少し上位校も狙えると思うけど、単に偏差値が高いところだから、っていう理由だけじゃなくて、入学してからやりたいことが学べる大学を選ぶことも大切だし、あなた自身はどうしたいのかが聞きたくって、今日は来て貰ったのよ。」
数枚の書類に目を落としたまま淡々と語っていた小春は一旦言葉を切ると、目の前に突っ立っている人物を見上げた。

しかし、当の本人ときたら、自分には関係ない、といいたげな風情で、ポケットに手を突っ込んでスチール製の本棚にだるそうにもたれかかり、金色の瞳を窓の外に向けたまま返事もしない。
傾きかけた日差しが彼の整った顔立ちに陰影を与え、長い銀髪に映えて優しい輝きを放っている。こんな状況でなければつい見とれてしまいそうな美しさだ。
しかし、今は悠長にそんなことを考えている場合ではない。
まったく自分の言葉に興味を示さない彼の姿を見て、小春はこれみよがしに盛大にため息をつき、椅子から立ち上がった。
彼の正面に向き直ると、改めて「あのね」と声をかけた。

「今が何月か、英くん、ご存じ?」
英くん、と呼ばれ、狂司郎は面倒くさそうにようやく視線を小春と合わせて
「・・・10月」
とだけ答えた。
「そう、よくできました。」
もったいぶって教え子の言葉をひきとり、噛んで含めるように言葉を続ける。
「この時期にね、進路志望調査票を白紙で出したのはね」
狂司郎の長身をぐっと見上げ、最後の言葉をはっきりと告げてやる。
「あなただけよ、英狂司郎くん?」
自分を睨み上げるように見つめる小春の視線を真正面から受け止めつつ、狂司郎は軽く首を傾げて小春を見返しただけだった。


テキスト by 北未凜


このお話は雪耶ライン『Piccola stanza segreta ~小部屋の秘密~1』と
リンクしています。
Piccola stanza segreta ~小部屋の秘密~1


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