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絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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80.【蒼白の月に啼く獣E-1】

蒼白の月に啼く獣 エピローグ

 

英邸、現在――


少し骨ばったすらりと長い指先が、素早くキーを叩きながら流れるように動き、最後にリズムに乗ったようにポンッとEnterキーを押す。
フッと軽く息をついた西門は、指先をキーボードに置いたまま、パソコンの液晶画面から、横に置いてあるシルバーメタルのデジタル時計に視線を移した。

(もう2時間も経ってしまったのか。そろそろ狂司郎様は目を覚ましただろうか。熱が下がっているといいのだが。)
西門は、マウスに手を伸ばすと、作業をしていたファイルを保存して閉じパソコンの電源も落とすと、執務室のデスクの席から立ち上がった。

再びこの屋敷に狂司郎の教育係として戻ってきてから既に2年以上が過ぎていた。

アメリカから帰国し再び英邸に住む西門は、狂司郎の教育係としての職務があるが、雇用主は英の会社である。
社長である英の配慮で変則的な勤務体制になっており、狂司郎の下校後は英邸の執務室で本社の仕事をこなす場合もあるのだ。
そのために英が、西門専用のパソコンを用意してくれていた。



今日、桜華学園高校から帰宅した狂司郎は、誰かに殴られた傷を唇の端に残しており、一瞬、喧嘩か?と思ったのだが、服装に乱れも汚れもないので、喧嘩ではなく何らかのアクシデントによるものだろうと判断した。

だが、その唇よりも狂司郎の顔色の悪さの方が気になり、いつもの彼らしからぬ辛そうな様子も見て取れたので、早々に部屋で休ませていたのだった。

春から初夏にかけてのこの時期は過ごしやすいはずなのだが、ここ2~3日朝晩の気温が安定していない日が続いていたので、丈夫が取り得の狂司郎も体調を崩したのかもしれない。


西門は、執務室を出ると厨房に行き、業務用の大きな冷蔵庫からスポーツドリンクのペットボトルと発熱時用の冷却シートを取り出し、それを持って2階の狂司郎の部屋に向かった。

狂司郎の部屋のドアを一応はノックするが、狂司郎は中にいても返事をすることはないので
「狂司郎様、入りますよ。」
と声をかけてから、ドアを開ける。

かつて、この部屋のドアは、外側からしかロックできず、内側からは開錠の術がないという特殊なものだった。
それは家出癖のあった幼い狂司郎を、この部屋に閉じ込めておくための仕様だったのだ。

今は、中から施錠する一般的なドアになっている。
それがいつ変えられたのかを西門は詳しくは知らないのだが、中学時代、理不尽なドアに腹を立てた狂司郎が、ドアノブに蹴りを入れてぶち壊してしまったからだということだけは聞いている。

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