Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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79.【蒼白の月に啼く獣7-11】

今、伝えたいことだけは伝えた。
狂司郎の反応がないので、これ以上の突っ込んだ話はできない。

こうしているとかつてこの屋敷で狂司郎と過ごした日々が思い出され、あの頃に感じたことが、今また西門の心に蘇ってきた。

狂司郎は、抱きしめてくれる腕を求め続けていたのではないかと…。

西門のベッドにもぐりこむことが多かったのも、人のぬくもりに飢えていたからではないだろうか。
自分から甘える術を知らないだけで、甘やかしてくれる温かい居場所を求めないはずはない。

今もこうして自分の腕の中にいる狂司郎を見ていると、もしかしたら自分のことを待っていてくれたのではないかと虫のいいことを思ってしまうが、現実には、この先狂司郎を抱きしめることなどもう二度とないだろう。

自分の首筋に伝わってくる狂司郎の柔らかい髪の感触と温かい体温が心地よくて、もう少しこのままでいたい気分だったが、いつまでも無言で抱きしめているのもおかしな状況だ。
こんなところを誰かに見られたらあらぬ誤解を受けてしまう。

名残惜しい気持ちを抑えて、西門は狂司郎に声をかけた。


「狂司郎様。こうしていると昔を思い出しますね。
覚えていますか?
貴方がひどく暴れる時、こうして抱きしめてしまうと、大人しくなったんですよ?」

それを聞いたとたん、狂司郎がすごい勢いで西門の胸を突き放しながら身を起こした。

「…っざけたこと言ってんじゃねぇっ!」

西門に言葉をぶつけて立ち上がった狂司郎を見上げると、下唇を噛み締め、目を眇めて一瞥を投げつけてくる。
だが、その視線に特有の鋭さはない。

(あ、照れた…)
狂司郎の表情の裏にある感情を読み取った西門は、思わず口元が緩みそうになってしまい、慌てて顔の筋肉を引き締めた。

狂司郎の口元が舌打ちをするように動き、そのまま踵を返すと肩を怒らせた姿勢で道場の床を踏み鳴らしながら出入り口に向かう。

一つに結わえた長い髪をサラサラと揺らしながら出て行く後姿を、西門は柔らかく温かい視線で見送っていた。

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