Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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77.【蒼白の月に啼く獣7-9】

西門が道場に戻ると、狂司郎は俯き加減に体をかがめ、胡坐で座り込んでいた。
入り口近くにかけてあったタオルを手に取った西門は、狂司郎の傍に行き、まだ少し上下している肩にタオルをかけ、その横に腰を下ろした。

「狂司郎様、どうぞ」
そう言って西門が差し出したペットボトルを受け取った狂司郎は、無言のまま一気飲みのような勢いで水を飲む。

西門も渇いた喉を冷たい水で潤わせたあと、ペットボトルに蓋をすると静かに床に置き、視線を狂司郎に向けた。
空になってしまったペットボトルを床に投げ出し、濡れた口元を手の甲で乱暴に拭う狂司郎をしばし眺めた後、唐突に狂司郎の肩に手を回し、自分の胸に抱き寄せる。

「なっ…!」 
予期せぬ出来事に咄嗟に反応できず西門の肩口に顔を寄せるように倒れこんでしまった狂司郎が、慌てて西門から身を引こうとする。

そうはさせじと西門はもう片方の手も狂司郎の身体に回し、動きが取れないように抱き込んでしまう。

「このままっ」
耳元で聞こえる西門の声に、狂司郎の身体が一瞬動きを止めた。

西門は硬直している狂司郎の髪に鼻先を突っ込むようにして静かな声で語りかける。

「お願いです。このまま、少しだけ私の話を聞いてください」

狂司郎の髪からわずかな汗の匂いに混じって懐かしい狂司郎の匂いが西門の鼻腔を掠める。

突然の自分の行動に、狂司郎は怒って暴れだすかと思っていたが、西門の肩口でスンっと鼻を微かに鳴らしただけだった。

狂司郎もまた、西門の匂いを感じ取ったのだろうか。
幼い頃、抱きしめられた時の匂いを…。

西門がこの屋敷にいた頃、こうして抱き寄せることが時々あった。
機嫌が悪い時、暴れて手をつけられない時、無理やりにでも抱きしめてやると大人しくなることが多かったのだ。

だが、あれから何年も経っている今、15歳という微妙な年齢である狂司郎が、それを受け入れるとは西門も思ってもいなかったのだが、現実は身体を強張らせながらもその肩に顔を寄せている。

狂司郎が今何を考えているのかは想像もつかないのだが、こうしていると野生の獣を手懐けようとしている気分になる。
じっとしながら反撃の機会を待っているのかも知れず、いつ噛みつかれるかわからないといった緊張感にも似た感覚だ。


自身の心を平静に保つように心がけながら、狂司郎の肩に置いていた手をそっと彼の髪の中に入れあやすように動かし、西門が語り始める。

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