Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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73.【蒼白の月に啼く獣7-5】

部屋に入ると、狂司郎はソファに寝そべるような格好でだらしなく座っていた。
彼の視線の先には大型の液晶テレビがあり、画面の中では放映中の音楽番組が賑々しく音を立てている。

「恭司郎」
名を呼びかけながら英が部屋に入っていっても、狂司郎は微動だにしない。全くの無視である。

英もそれ以上は声をかけず、テーブルに置いてあるリモコンを手にするとテレビを消した。

「何すんだよ…」
と言いながら顔を上げ英を見上げた狂司郎の視線が動き、スーツ姿で佇む西門を捕らえた瞬間わずかに瞠目したが、すぐに眉根を寄せて目を眇め斬りつけるように睨む。
静かにその目を見つめ返す西門との絡み合う視線を、先に外したのは狂司郎だった。
ソファから立ち上がるとポケットに両手を突っ込み、西門から目をそらしたままドアに向かう。

「待ちなさい」
と、英が声をあげたのと、狂司郎の行く手を阻むように西門が動くのが同時だった。

目の前を立ちふさがれた狂司郎は、剣呑な目つきで西門を見上げる。

西門は口元に柔らかく笑みを湛えながら、狂司郎の瞳をじっと見下ろしていた。

金色に見えるほど色素の薄い瞳と、眦の切れ上がった大きな目を縁取る長い睫毛は健在だった。
目つきは3年前よりさらに凶暴さが増していたが。

3年前に別れたときは子供らしさが残る顔つきだったが、今、目の前にいる狂司郎はあどけなさを僅かに残しながらも、一筋縄ではいかないふてぶてしさを醸しだしていた。

透けるように白い肌の小さな細面の顔に、細く通った鼻梁と淡い色素の肉の薄い唇。
光に当たると白っぽい銀色に見える細く艶やかな美しい髪は、バックの髪を背中あたりまで伸ばし、うなじの上のあたりで一つに結わえている。

形容詞だけならば女顔を思わせるが、そこにいるのは噛み付いてきそうに粗暴な雰囲気の少年だ。

背も高くなっていた。
175cm以上あるのだろう、お互いに視線を交わす目の高さが近い。

――大きくなった…――
毛を逆立てて威嚇するように睨み付けてくる狂司郎を、西門は感慨深く見下ろしていた。

狂司郎に再会したらもっと動揺するかと思っていたが、意外にも西門の心は落ち着いていた。
狂司郎の態度が、あまりにも想像通りだったことが、かえって西門の度胸を据わらせたのだろう。

「お久しぶりです。恭司郎様。今日からまたお世話になります。
3年後、貴方が大学受験を終えるまで、私がお傍に仕えさせていただくことになりました。
どうぞよろしくお願いします」
西門は、にこやかにそう言うと狂司郎に頭を下げた。

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