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絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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71.【蒼白の月に啼く獣7-3】

そうと決まった英は、それまで口を濁しながらの説明だった狂司郎の行状の詳細を西門に語った。

友達と呼べる者もおらず、単独で事を起こし、喧嘩の原因となるものもはっきりしないのが大半で、狂司郎の気分次第で暴れているらしい。
学校内外を問わず『桜華の白豹』という悪名まで流れ、桜華学園の保護者からの苦情も出ているため、学園側としても狂司郎を退学させるかさせないかで憂慮している状態だという。
それでも英のごり押しで、桜華学園高校への進学の内定は取りつけたものの、危機的な状態であるのは明らかだった。

その中で西門を愕然とさせたのは、狂司郎が同級生の男子にレイプまがいの行為をしたという話だった。
男子生徒の家で、嫌がっているのを無理矢理押さえつけて行為をしていたところを母親にみつかり、両親が英家に怒鳴り込んできたと言う。
本当にレイプだったのかどうかは定かではないらしいのだが、狂司郎が無言を通したために真相はわからないらしい。

かつて、有介の行為によって受けた深い傷痕を心に持つ狂司郎が、そんなことをするとは西門にはとても信じられなかった。
だが、あの一件について何も知らない英にそれを言えるはずもなく、眉を寄せたまま英を見つめていた。


普段の英は、他人に表情を読ませない、ある意味冷徹ともとれる毅然とした表情を崩さないのだが、 それを話す時ばかりは、皺を刻み苦汁に満ちた顔つきだった。

しかも狂司郎は、父・英恭介の一字をつけた『恭司郎』の名を勝手に『狂司郎』に変えて名乗っているという。
英に対する何らかの気持ちの吐露なのかもしれないが、父親からしてみればどれほど悲しいことであろう。

苦悩から顔を歪める英を痛ましい気持ちで見ながらも、慰めの言葉は何一つとしてみつからず、自分が狂司郎の傍にいることで少しでも力になれれば、という思いを伝えるしか出来なかった。 

「私にはもう、恭司郎の気持ちが理解不能だ。何を考えているのかさっぱりわからんよ」
心底疲れたように言葉をこぼした英は、西門の顔をみつめる。

そして、一つ大きな呼吸をすると、スッと背筋を伸ばし、真摯な視線を西門に向けた。

「君の貴重な時間を恭司郎の為に無駄にさせるのは申し訳ないが、どうか恭司郎のことを頼む」
両の膝に手を置くと、深々と西門に向かって頭を下げる英だった。


そうして西門は英邸に戻ることが決まったのだ。


英邸に戻ると決まってからの西門は、狂司郎に再び会えるという期待よりも、彼が自分をどう受け止めるのか、自分は彼にどう接していけばいいのかという不安の方が大きかった。

荒れて心がささくれ立っているであろう狂司郎が、かつて突然去ってしまった自分を再び受け入れてくれる可能性はきわめて低い。
それでも、自分は狂司郎の傍でもう一度彼をサポートしたい。
それが自分の狂司郎に対する贖罪なのだと、その時は思っていたのだった。

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