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絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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69.【蒼白の月に啼く獣7-1】

蒼白の月に啼く獣 第7章

 

 アメリカに渡った当初の西門は、罪の意識に苛まれ、狂司郎に思いを馳せてばかりいたのだが、いくら思い悩もうとも自分にはどうすることも出来なかったという結論にしか辿りつけず、やがて『考えても無意味だ』と自分に言い聞かせるしかなかった。

 社会人になってすぐに異国の地に降り立ち、何もかもゼロの状態から始めることになった西門は、自分に課せられた責務を全うするべく前に進まねばならず、ついぐずぐずと過去を振り返ってしまう自らを必死の思いで押さえ込もうとしていた。

 西門にとって英からの職務命令であるMBA取得のためのビジネススクールと仕事の両立はかなりハードであり、狂司郎のことを考える時間も余裕もないはずだったのだが、ふとした時間にまた考え込んでいる自分に気付く。


――あれでよかったのだろうか。
 狂司郎のことを大切に思っていたなら、まずは彼に知らせることが肝要だったのではないか。
 西門が離れることを知った狂司郎が荒れたとしても、それをフォローすることが出来たのではないだろうか。
 フォローした上で、もう一度狂司郎と共に桜華中学を目指せばよかったのだろう。
 だが、どうやって?2年もかけてやっとの思いで築いた関係を、また立て直すのにどれだけかかる?
 やはり無理だったんだ。ああするしかなかったんだ。結果として合格したんだから狂司郎にとってはあれでよかったんだ。――

考えるたびに、自己弁護しているだけという情けない結論で気持ちを治めようとしている自分に嫌気が差し、それもまた西門の心に濁った澱を重ねていくことの繰り返しだった。

 恋の一つでもすれば、過去のことを考えることもなくなるのだろうか?などと愚にもつかぬ事を思ったりもしたのだが、現実はそんなに甘くもない。

 狂司郎のことを考え始めると、とことんネガティブな方向へいってしまうので、そういったことを考える時間を作らないためもあって、仕事と勉強に精力的に取り組んでいた西門は、その端整な容姿と相まって社内外を問わず―男女を問わずでもあるが―注目を集めていた。

 公言こそされていないが、西門が英の次期後継者候補の一人との噂はニューヨーク支社にも流れており、アプローチを仕掛けてくる女性も多かった。

 実際のところ、英からは『将来、経営陣に入ってもらうことを視野に入れている』と言われており、そういった立場上、社内恋愛によるトラブルや、またそれ以上に、セクシャルマイノリティであることを知られるのは、たとえ個人の恋愛に対してリベラルであるニューヨーク支社であろうとも危険すぎるため、社内からのアプローチは全てかわしていた。

 かといって、恋愛とは全く縁がなかったわけではないのだが、狂司郎のことを心の中から追いやってしまえるほどの熱情にはならず、それが西門のあいまいさとなり、相手に不安を与えてしまって別れるという結果になっていた。

西門自身、狂司郎とのことが自分の心に蓋をしてしまっているような感覚を覚えていたのだが、それをどう対処すればいいのかわからなかった。

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