Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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66.【蒼白の月に啼く獣6-8】

「…ずっと?…もう戻ってこないのか?」
掠れた小さな声で狂司郎が尋ねてくる。

「…はい。いつ日本に戻ってこられるのかは聞いていません。
最低でも5年間はニューヨークで、というお話でしたが、もしかしたらそれ以上になるのかもしれません」

 もし戻ってきたとしても、今までのような狂司郎との生活は実現不可能だ。
 英家の御曹司である狂司郎は、西門とは別の世界で生きる人間だ。狂司郎にとっての西門は父の会社の社員であり、遠い親戚であるというだけの存在なのだ。

「…だから、僕が恭司郎様の傍にいられるのはあとわずかな時間になってしまいました。
でも、それまでは恭司郎様と一緒に過ごせたらいい…」
「出てけっ!」
西門が言い終わらないうちに、狂司郎の口から鋭い声が飛ぶ。

 眉間を寄せ、眦を吊り上げた目で西門を睨みつけている。

 狂司郎のこういった反応は西門の中では想定していたものではあったのだが、それでも目の前の狂司郎から直接向けられるのは、やはりかなりの衝撃で西門は酷く動揺していた。

「あの…恭司郎様…」

「お前の顔なんか見たくないっ!さっさと出てけっ!…出てけよっ!」
そう叫んだ狂司郎の顔は歪み、泣き出しそうだった。

 座ったままの身体を硬直させ、掌を握り締め、暗い翳りを帯びた視線で西門を斬りつける。

 狂司郎を守りたいと思っていた自分が狂司郎を傷つけてしまった。心を開いてくれただけに、彼が受けた傷は一層深いだろう――その現実が西門に重く圧し掛かってくる。

 西門にはもう狂司郎に手を伸ばすことは許されてはいない。
 出て行け、と言われた以上、西門はそうするしかなく、ゆっくりと立ち上がりドアに向かった。
 ドアを開け、廊下に出てから西門は狂司郎を振り返る。

 このドアを閉めたら、それが最後になってしまうような気がした西門だったが、部屋の中から 顔面を蒼白にしたまま睨みつけている狂司郎にかける言葉が出てこない。
 閉めようとしたドアのノブを握り締めたまま、立ち尽くしていた西門はやっとの思いで言葉をしぼり出した。

「恭司郎様。また来ます。もう一度ちゃんとお話しさせてください」
 そう言って狂司郎に頭を下げ、ドアを閉めようとした時、

「二度と来るな!」
 狂司郎の叫び声と共に、西門に何かが飛んできた。西門が贈ったプレゼントの箱だった。


 箱は西門の体に当たり、コトリと小さな音を立て、廊下に落ちた。

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