Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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55.【蒼白の月に啼く獣5-12】

 公園の傍に車を止めた西門は、指定された場所に急ぐ。刑事の話では怪我は大したことはないということだったが、それでも心配が消えるわけではない。
 雨こそ降っていないものの梅雨時の湿度の高い空気が、刑事から聞いていた場所に走る西門にじっとりとまとわりつく。真夜中ため人影もなく、静まり返った薄暗い木立の中を抜けると、今は止ったままの噴水のほとりのベンチに座る狂司郎と刑事の姿が見えた。

 狂司郎の元へ駆け寄った西門は、その姿を見て一気に安堵の思いが胸に広がり、刑事に挨拶することも吹っ飛んでしまった。

 座っている狂司郎の前に膝をつき、両の手をそっと狂司郎の顔に伸ばす。顔も殴られたのか、頬や目尻のあたりは腫れて、擦り傷もあり、唇の端には血の塊がわずかに残っている。昨夜有介に叩かれて切れた口の中の傷は、さらにひどくなってしまっているだろう。

「恭司郎様、大丈夫ですか?痛くないですか?…痛い…ですよね…。」

 そっとその頬に触れる西門の指にも狂司郎はなんの反応もせず、ただ濡れたような金色の大きな瞳で見返してくるだけだった。

 髪の毛はクシャクシャに乱れ、服は砂まみれ、半袖のTシャツとハーフパンツから覗く腕と足には黒ずんだ汚れと共にあちこち血だらけだった。倒れたまま引きずられたのか、両足の擦過傷と出血が痛々しい。

 西門の手が、狂司郎のもつれた髪の毛を解すように、撫でる。
「帰ったら、消毒しましょうね。」


「コイツを迎えに来て、真っ先に体の心配をしたのはアンタが初めてだな。」

 横から聞こえる声でやっと西門は刑事の存在を思い出したが、それよりも刑事の言ったことに引っかかって思わず
「えっ?」
と、聞き返してしまった。
 同時に狂司郎も、何か気になったのか、刑事の顔をスッと見上げた。


「今まで何度もこの坊主を保護してるが、いつも親は不在だとかで、代わりの人間が迎えに来てたんだ。
それがいかにも代理できましたって感じでな。事務的な対応っていうのかなんていうのか…。
アンタも、英家の使用人?」

 刑事にそう言われて、挨拶もしていなかったと西門は気づき、慌てて立ち上がり
「あ!お電話してくださった村井さんですか?ご挨拶が遅れてすみません!
僕は、英邸に住み込みで家庭教師をしている西門湊と言います。
今夜はお世話をかけました。どうもありがとうございました。」
そう言って深く頭を下げた。

 うんうんと頷くようにした刑事は、
「あちこち怪我してるが、ザッと見た限り大きな怪我はないようだ。足をひねっちまったようだけどな。」
そう言ってベンチから立ち上がると、西門の腕を取り狂司郎から少し離れる。

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