Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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41.【蒼白の月に啼く獣4-7】

 コンコンと静かにドアをノックする音がした。実代が狂司郎のために食事を持ってきてくれたのだ。

「ありがとうございます。大丈夫でしたか?」
と西門が聞くと、実代が廊下の先を伺うように視線を動かしたので、
「中へどうぞ」
と、部屋に招き入れる。

 頭を下げながら入ってきた実代は、背後を気にするように声を潜めて喋りだした。
「有介様にはあわなかったのですが、田上さんとすれ違ってしまって…。」

ドアを閉める西門に
「いえ、私すぐに戻らないといけないので。これ、恭司郎坊ちゃまに。」
と、おにぎりと味噌汁の乗ったトレーを差し出す。

「あの、恭司郎坊ちゃまは?」
「今、お風呂に入ってます。僕が見てるので大丈夫ですよ。それより、いったい何があったのですか?」

「恭司郎坊ちゃまは何もしてないんです。ただ、厨房でご飯を食べてただけで。今日、坊ちゃまはまたお屋敷を抜け出してしまわれたようで、食事をとってないと他の人から聞いていました。
 それで、廊下で坊ちゃまを見かけた時に、おなかがすいてるだろうと厨房に連れて行ったんです。ちょうどそこに有介様がいらしてしまって…。
…有介様、最近ちょっと荒れていらして…旦那様が決めた就職先が英の本社ではなく系列会社だったってことで、かなりお怒りになっていたとか。
 だから今日も機嫌が悪かったのかもしれないですけど、ご飯を食べてる恭司郎様を見るなりいきなり怒鳴りだされて…。」

実代が焦ったように早口で打ち明ける。
「私のせいです。私が最初からこっそり食事をここへ運んでくればよかったんです。
今までも時々、恭司郎坊ちゃまにああやってお食事上げたことがあるのですけど、あんな遅い時間に有介様が厨房に来ることなどなかったものですから…。」

「実代さん、ご自分を責めないでください。実代さんは決して悪くないですから。」

 慰める西門に、実代が縋るような視線を送った。
「西門さん。恭司郎坊ちゃまのこと、お願いします。私には、こうしてお食事を作ってあげるくらいしか出来なくて…。どうか、恭司郎坊ちゃまを気にかけてあげてください。」
 そう告げると、実代はそそくさと部屋を出て行った。


 下手な動きをすれば、この屋敷を首になってしまうという不安を抱える彼女が、彼女の出来る範囲で狂司郎を見守ろうとしているのが、西門には十分に伝わっていた。

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