Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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◆ Piccola stanza segreta ~小部屋の秘密~3 ◆

 本当は勉強を教えて欲しかった訳ではない。

 ネーヴェから聞かされた一件から、自分の存在が家族や九頭竜会にとってどういうものなのか、ずっと頭から離れないでいる。自分を無条件で愛して甘やかしてくれる家族や周りの人間の事を思うと、真っ向からそれを問いただす事も出来ない。雪耶の言葉で彼らが悲しげな顔をするであろうことが容易に想像でき、ここのところ夜もろくに眠れていない。
 小春先生に話してどうなるのか自分でもよく解らないが、自分の中だけで答えが出せないのも事実で、でも誰にでも話せることでもない。けれど、他に聞いてくれそうな人が思い浮かばない。
そんな堂々巡りの考えをしながら、静かな室内と、自分に圧し掛かっている煩わしい物事から切り離された学校という空間に気が緩んだのか、いつしかウトウトと眠ってしまった。


 ふと、優しく髪を撫でられる気配で目が醒める。

「転寝してると風邪引くわよ?久世くん」

 媚びるような甘さの無い、凛とした張りのある声の主が雪耶を覗き込んでいる。
 先生が戻ってきた事にも気付かないほどに深く寝てしまっていたのかと眠い目を擦りながら身を起こすと、肩に白衣が掛けられているのに気付いて、今何時?と、つい声に出して聞いてしまった。 

「ごめんね、待たせちゃって。会議がこんなに長引くとは思わなくて…もう直ぐ17時になるかな」
「そっか…」

 今日はもう帰る?と聞きながらも、小春先生は二つ分のカップにインスタントだがコーヒーを作っている。
 雪耶は制服のポケットからケータイを取り出すと、学校の外で自分を待っているだろうSPに向けて素早く簡素なメールを送る。間髪入れずに『了解しました。お待ちしています』というメールの返信が入ると同時に、目の前の机にほろ苦さと甘いミルクの香りが混ざった湯気の立ち昇るカップが置かれた。

テキスト by 辰城百夏

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