Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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34.【蒼白の月に啼く獣3-9】

 歌を唄っていたとき、狂司郎は母を思い出していたのだろう。だがそれがどんな思いなのかわからない。
 いつも殻の中に閉じこもっている狂司郎からは、何を考えているのか何を思っているのかが読めない。
 そんな彼を、殻の中から引っ張り出したいという気持ちがあったのは確かだ。その殻を叩き割ってやりたいという嗜虐的な気持ちがなかっただろうか。



 ―広間のピアノに、もしかしたら狂司郎の母の思い出があるかもしれない―



 心の片隅で、そう推測していたのも否定出来ない。

 だが、ここまでのパニックを起こすほどの思い出があるとは思っていなかった。
 知らなかったとはいえ、結果として狂司郎の心を無理矢理こじ開けようとする行為をしてしまったと自責の念に駆られていた。


 狂司郎に母を思い出させて、自分はどうしたかったのか、今となっては自分自身でもわからなかった。
 狂司郎の心が知りたいという単なる我儘な発想だったのかもしれない。


 母を思い出し不安定になっていた狂司郎に、さらにその思い出を掘り起こさせてしまい、取り返しのつかない傷を与えてしまったのではないかと不安にもなる。


「すみませんでした。恭司郎様。」
ポツリと西門が謝罪の言葉を漏らす。
 狂司郎の反応がないので、そっとその顔を覗き込んだ。
 狂司郎は眠ってしまったようだ。午前中ずっと、暑い庭にいて、そして午後からこの大暴れで疲れてしまったのだろう。


 西門に身体を預けたまま、スースーと規則的な寝息を立てる狂司郎の寝顔に、思わず微笑んだ西門は、優しくその身体を抱きしめなおし、柔らかい髪の感触を味わうかのようにその頭に頬をすり寄せた。


 自分の腕に抱かれて狂司郎が寝入ったことを、何故だか嬉しく感じている自分自身に西門は気づいてしまった。

 


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