Möelva-B×B-

絵師集団ciliegioによるオリジナル作品オフィシャルブログです。男同士の恋愛が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

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33.【蒼白の月に啼く獣4-8】

 狂司郎が暴れていた。リビングスペースにあった目に付くもの全てを床に投げ落としている。
今は勉強スペースの椅子をまさに蹴り倒そうとしているところだった。狂司郎の蹴りを喰らった椅子が派手な音を立てて吹っ飛ぶ。


「恭司郎様!」

 慌てた西門が狂司郎を抑えようと近づくが、

「来るなっ!」

と叫び、鋭い視線を向けするりと身をかわした狂司郎がソファに走り、置いてあったクッションを投げつけてくる。


 だがクッションは西門に受け止められてしまい、今度はテレビの傍に置いてあるゲーム機を持ち上げ、投げようとする狂司郎だった。


 重さのある物を持った狂司郎の動きが鈍ったところを、西門が素早い動きで近づき捕まえた。抗う狂司郎の手からゲーム機を奪おうとしたのだが、間に合わず手からゲーム機が落ち、床で大きな衝撃音を立てた。
 狂司郎の足の上に落ちるのを避けるため、咄嗟に西門は狂司郎を引き寄せ抱え込んでいた。それを嫌がる狂司郎が西門の腕から逃れようと暴れるのだが、西門は腕の力を緩めない。


 狂司郎の顔を西門が見下ろす。唇が白くなるほど噛み締め、眉間にしわを寄せて攻撃的な目つきで暴れている狂司郎は、涙など見せていないのだが、その顔が泣いているように見えてしまい、西門の心が痛くなる。



 しばらくそうして抱え込んでいると、暴れるのに疲れたのか、はぁはぁと早い呼吸を繰り返しながら西門の腕の中で狂司郎がおとなしくなった。


 西門は狂司郎を抱えた腕を解かないまま、ゆっくりと床に腰を下ろす。胡坐をかいて座った上に狂司郎を座らせ、頭を自分の肩口に引き寄せた。

 興奮して汗ばんでいる狂司郎の額を、手の平で拭い、優しく髪を撫でてやる。


 西門の胸にもたれたまま動かない狂司郎は、強い視線で目を見開いたままどこか遠くを睨みつけている。耐えているような、何かを押さえ込んでもいるような苦しげな視線だ。


 西門は、狂司郎の額に頬を寄せそのまま語りかける。

「恭司郎様、泣いていいんですよ。
泣きたい時は泣いていいんですよ。」


 繰り返し狂司郎の髪を、背中を西門の手が撫でる。
 しばらくすると狂司郎の身体から力が抜けたのを感じ、もたれている狂司郎の重さが伝わってきた。泣いているのかどうかは顔が見えないので西門にはわからない。



 自分の胸に染みてくる狂司郎の体温を受け止めながら、西門は今日の出来事を思い出していた。

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